フリーダ・カーロの財団が作家支援の新賞を創設。「メキシコ美術の未来」に投資

フリーダ・カーロ(1907-1954)の遺族が設立したカーロ財団が、メキシコの新進アーティストを支援する新たな賞「カーロ・アート・プライズ」を創設する。

フリーダ・カーロ。1931年撮影。Photo: Bettmann Archive, via Getty Images

フリーダ・カーロの遺族がニューヨークに設立した非営利団体、カーロ財団(Fundación Kahlo)が、メキシコの新進アーティストを支援する新たな賞「カーロ・アート・プライズ(Kahlo Art Prize)」の創設を発表した。

同賞はオークションハウスのフィリップスがスポンサーを務め、隔年で授与される。受賞者には5万ドル(約810万円)の賞金に加え、2025年9月にメキシコシティで開館した、カーロの家族の歴史と私生活に焦点を当てる美術館「ムセオ・カサ・カーロ(Museo Casa Kahlo)」とニューヨークで作品を展示する機会が与えられる。

カーロの大姪(姪の娘)で遺産相続人でもある、カーロ財団プレジデントのマラ・ロメオ・カーロは声明で、同賞について次のように述べた。

「美術館を開館し、世界中の人々をフリーダの世界に迎え入れる過程で、常に響いていたひとつのフレーズがあります。それは『マス・アモール、マス・ファミリア、マス・メヒコ(もっと愛を、もっと家族を、もっとメキシコを)』です。生涯を通じて教師であったフリーダは、ほかのアーティストを高め、讃えるという理念に身を捧げていました。それこそがカーロ・アート・プライズの核心にあるものです」

フィリップスのプライベートセールス部門チェアマン、ミーティ・ハイデンも声明を発表し、「フリーダ・カーロほど永続的な影響を残したアーティストはほとんどいません。その死から何世代を経てもなお、彼女の作品は文化的な対話を形づくり、新しい芸術的な声を生み出し続けています」とコメント。さらに次のように続けた。

「カーロ財団とともにカーロ・アート・プライズに取り組み、メキシコの新進アーティストのためのプラットフォームづくりを支援できることを光栄に思います。キャリアの重要な節目にあるアーティストを支援することは私たちの活動の中心であり、この取り組みはその継続的なコミットメントを反映するものです」

同賞はオープンコール(公募)方式で実施され、今年11月から応募受付を開始する。応募資格の詳細は今後数カ月以内に発表される予定だが、対象はメキシコ国籍を持つアーティストに限られる。また、初回は平面作品(絵画や写真などの二次元作品)のみが対象となる。

初代受賞者を選ぶ審査員長を務めるのは、メキシコシティのタマヨ美術館で館長を務めたマガリ・アリオラ。プレスリリースによると、アリオラはこれまで「アートと政治の交差点を渡り歩く」プロジェクトを数多く手がけてきたという。受賞者は、カーロの生誕120年にあたる2027年7月6日、ムセオ・カサ・カーロで開催される授賞式で発表される。

カーロ財団会長のリック・ミラモンテスは、次のように述べている。

「フリーダ・カーロは、芸術は勇気と誠実さをもって自らの真実を生きることから生まれると信じていました。この賞は、芸術的な卓越性だけでなく、今後数十年にわたって私たちの文化を形づくるであろう次世代のメキシコの声に投資することで、その精神に敬意を表するものです。カーロ財団はカーロ・アート・プライズを通じて、メキシコ美術の未来が彼女と同じように大胆で、独創的で、恐れを知らないものであり続けるよう後押しし、フリーダの不朽のレガシーを受け継いでいきます」(翻訳:編集部)

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