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フリーズ・ロサンゼルスVIPデーに目撃されたセレブ、それぞれの事情

世界各地で開催されるアートフェアの中でも、フリーズ・ロサンゼルスには際立った特徴がある。それは、ハリウッドの大物スターやセレブリティが集まるという点だ。今回も、2月17日のVIPデーには俳優やミュージシャンが次々と訪れていたが、アート界は取引について明らかにしない慣習があるので、スターたちが作品を購入しているかどうかは分からない。

俳優のピアース・ブロスナン Maximilíano Durón/ARTnews
俳優のピアース・ブロスナン Maximilíano Durón/ARTnews

会場がビバリーヒルズのビバリー・ヒルトンの近くに移転したことから、さらに有名人が集まりやすくなった今回、会場で目撃された顔ぶれをまとめて紹介する。

まずは、映画「マリー・ミー」(日本では4月下旬公開予定)でジェニファー・ロペスと共演している俳優オーウェン・ウィルソンと、深夜トーク番組「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」の司会者、ジェームズ・コーデン。また、人気コメディ・バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で知名度を上げたエイミー・ポーラーとウィル・フェレルも姿を見せた。フェレルの妻であるヴィヴェカ・ポーリンは本格的なアートコレクターで、ロサンゼルス・カウンティ美術館の理事も務めている。

また、映画007シリーズの出演者も目についた。5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンが、茶色いスエードのジャケット姿で歩いているのが目撃され、「007 死ぬのは奴らだ」(1973)でボンド役のロジャー・ムーアと共演し、タロットカード占いが得意なボンドガールのソリティア役を演じたジェーン・シーモアを会場で見かけたという情報もある。

一方、フリーズ・ロサンゼルスの常連として知られるブラッド・ピットは、ヨーロッパ滞在中だったため欠席したようだ。ポンピドゥー・センター(パリ)の2月16日のツイートによると、ブラッド・ピットが友人のアーティスト、トーマス・ハウザーゴとともに最近来館したとされている。なお、今回のフリーズ・ロサンゼルスでは、ブリュッセルのギャラリー、Xavier Hufkens(ザビエル・ハフケンス)がハウザーゴの単独ブースを出している。

今回、最も注目を集めたのはグウィネス・パルトロウで、アートアドバイザーを同伴していたと伝えられている。2月初め、先駆的な彫刻家、ルース・アサワの作品をパルトロウが所有しているように見える記事がアーキテクチュラル・ダイジェスト誌に掲載され、話題になった。その後、作品が本物ではないという情報とともにツイッターで拡散し、記事は思いがけない理由でさらに広まった。パルトロウは、アート界に向けて自分が信用のおけるコレクターであることを証明する必要があるかもしれないが、フリーズ・ロサンゼルスに姿を見せたことはそのためにも有益だったと言えそうだ。

情報筋によると、VIPデーの遅い時間には、2016年と2017年にARTnewsのアートコレクター上位200人に選ばれたアカデミー賞俳優のレオナルド・ディカプリオが、父親のジョージなどと数人のグループで会場を歩き回っていたという。

また、ザ・ウィークエンドやビースティ・ボーイズのマイクDらミュージシャンや、俳優のドナルド・グローバー(チャイルディッシュ・ガンビーノの名でラッパーとしても活動)も来場していた。(翻訳:清水玲奈)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年2月17日に掲載されました。元記事はこちら

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