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米メタがAIペイントツール「Make-A-Scene」を発表。文章とスケッチだけでクリエイティブな画像を生成

  • 2022年7月28日
  • INTERNATIONAL

Text: Francesca Aton

メタ(旧フェイスブック)が、AIを用いて画像生成を行うペイントツール「Make-A-Scene(メイク・ア・シーン)」に関する研究リポートを公表した。このAIツールは、テキストと自由形式のスケッチを組み合わせ、より精度の高い画像を作り出すことができる。

メタ AIの「Make-A-Scene」プログラムで生成された作品 Courtesy Meta

フェイスブックとインスタグラムの親会社であるメタ・プラットフォームズ(通称:メタ)のAIラボ、「メタAI」は2013年に設立された。そのメタAIの7月14日付ブログによると、Make-A-Sceneは「クリエイティブな表現を進化させるためにAIの潜在能力を引き出すこと」を目指しているという。

ブログではまた、こう説明されている。「我々のモデルは、与えられたテキストとシーンレイアウト(スケッチ)に応じた画像を生成する。シーンレイアウトに基づいた調整を行うことで、これまでにない制御性を提供し、一貫した構造や品質が担保され、ユーザーの自由度を拡大できることが検証された」

メタAIのブログで紹介された、画像生成のプロセス。上部にテキスト(夜、山々の前に草原とサボテンのあるデジタルアート)、画像左はスケッチ、右はそれらを取り込んで生成された作品。 画像引用元:https://ai.facebook.com/blog/greater-creative-control-for-ai-image-generation/

ジェネラティブアート(自律的なシステムを使用して生成されたアート)の起源は、1960年代にさかのぼる。この頃、ベラ・モルナールやグレイス・ハートラインといったアーティストが、コンピューターを使って制作をし始めた。ただ、ある種の偶然性に基づいてアートを創作するという考えは、もっと以前からあったものだ。

その後、テクノロジーが発達するにつれ、この分野の研究は劇的な進化を遂げてきた。ジェネラティブアートに取り組む作家が増え、より簡単に利用できるようになり、生成できる画像も変化した。さらに、ジェネラティブアートで扱うテーマやトピックも拡大している。

この点について、アートとテクノロジーの関係に詳しいジェイソン・ベイリーは、2020年1月号のアート・イン・アメリカ誌にこう記している。「ツールと作品が密接な関係にあるジェネラティブアートの歴史は、ソフトウェアとハードウェアの発展の歴史でもある」

実は、フェイスブックはアーティスト・イン・レジデンスを実施している。そのこととメタAIの研究開発を考え合わせると、今回のAI画像生成ツールの発表はそう意外なことではないだろう。

先述のブログには、「クリエイティブな表現を進化させるAIの潜在能力を活用するには、システムが生成するコンテンツの方向付けや制御をユーザー自身が行えることが必要だ」とある。「ユーザーが望む表現方法をうまく活用できるようにするには、直感的で使いやすいものでなければならない」

AIで生成された画像については、人間による評価も行われている。ブログによると、「評価者は、Make-A-Sceneでテキストのみで生成された画像と、テキストとスケッチの組み合わせで生成された画像の両方を検証している」。スケッチ機能を追加した効果は明らかで、生成された画像とテキストとの整合性が66.3%向上したと報告されている。なお、スケッチを希望しないユーザーは、テキストのみを選択することができる。

Make-A-Sceneはまだ一般公開されていないが、メタの従業員や、レフィーク・アナドール、ソフィア・クレスポ、スコット・イートン、アレクサンダー・レーベンといった一部のAIアーティストによるテストの最中だ。

「アイデアがどんどん湧いてくるし、複数の異なる世界観をミックスすることもできる」とアナドールは言う。「文字通り、AIマシンの心の中に絵筆を浸し、機械の意識と共に筆を動かして描いているように感じるね」

メタのプログラムマネージャー、アンディ・ボヤツィスはこう語っている。「うちの2歳と4歳の子どもとMake-A-Sceneを使ってアート作りをしたんだ。子どもたちは遊び心のあるスケッチで、自分のアイデアやイマジネーションに形を与えていたよ」

研究リポートの発表後、メタは Make-A-Sceneの解像度を、これまでの4倍の最大2048×2048ピクセルまで増強している。また、無料で閲覧可能なデモのリリースを予定しているが、日程はまだ明らかにされていない。詳細は、イスラエルのテルアビブでコンピュータービジョン欧州会議が開催される10月まで待たねばならないようだ。

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年7月18日に掲載されました。元記事はこちら

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