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ジョニー・デップが、画家モディリアーニの「転機の48時間」を描く映画で25年ぶりに監督業

  • 2022年8月24日
  • INTERNATIONAL

Text: Rebecca Rubin for Variety

俳優のジョニー・デップが、フランス・パリで活躍したイタリア人画家アメデオ・モディリアーニの人生を描く映画「Modigliani(モディリアーニ)」で、再びメガホンを取ることになった。アル・パチーノとバリー・ナビディが共同プロデューサーを務め、デップが設立した映画製作会社インフィニタム・ニヒルのヨーロッパ地区部門、IN.2が製作を行う。ザ・ハリウッド・リポーター誌が第1報を報じた。

ジョニー・デップ Photo Kevin Diestch/Getty Images

「Modigliani」は、デニス・マッキンタイア作の同名の戯曲を基に、ジャージー&メアリー・クロモロウスキーの脚本で映画化される。1916年のパリが舞台で、「長い間、批評家に評価されず、作品も売れなかったモディリアーニが、人生の転機となる波乱万丈の48時間を乗り越えて伝説的なアーティストとしての地位を確かなものにする」ストーリーだと発表されている。

デップは声明で、「モディリアーニの人生を映画化するのはこの上なく光栄なことで、とても謙虚な気持ちになっている」とし、こう述べている。「モディリアーニは、大きな苦難を経験した後に栄誉を勝ち取った。その生き様は普遍的なヒューマンストーリー。きっと、映画を見る全ての人の共感を呼ぶだろう」

今回の監督作品は、デップにとって映画界への本格復帰の新たな一歩になる。ここ数年、彼は元妻のアンバー・ハードとの名誉毀損裁判で世間を騒がせてきた。2018年、ハードがワシントン・ポスト紙に、自分がデップによるDVの被害者であることを示唆する論説を寄稿。それを名誉毀損だとするデップの訴えが認められ、勝訴となった。しかし陪審は同時に、デップがハードの告発に反撃する過程で、弁護士を通じて彼女を誹謗中傷したことも認めている。

そんなこんなで、デップはハリウッドから敬遠されたままだが、現在ヨーロッパで2年ぶりの出演作となる歴史ロマンス映画「ジャンヌ・デュ・バリー」を撮影中だ。同作は、ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーを描くもので、デップは何かと物議を醸す国王だったルイ15世を演じている。監督と主人公のジャンヌ・デュ・バリー役を兼任するのは、フランスの女優・監督のマイウェンだ。

ルイ15世は、2020年のインディペンデント系映画「MINAMATA-ミナマタ」で、戦争写真家W・ユージン・スミスを演じて以来の大役だ。この年デップは、自分を「DV夫」と書いた英大衆紙ザ・サンに対する名誉毀損裁判で敗訴。ワーナー・ブラザーズは、「ハリー・ポッター」のスピンオフ作品「ファンタスティック・ビースト」からデップを降板させた。シリーズ第3弾「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」では、デップが演じていた黒い魔法使いことゲラート・グリンデルバルド役を、マッツ・ミケルセンが演じている。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」などで主演し成功を収めているデップは、ネオ・ウエスタン映画「ブレイブ」(1997)で監督デビューを果たした。この作品ではマーロン・ブランドと共演もしたが、批評家から酷評され、商業的にも失敗。バラエティー誌は「荒唐無稽」とこき下ろした。それ以来、監督作はないが、「ヒューゴの不思議な発明」「ローン・レンジャー」「MINAMATA-ミナマタ」など数本の映画で製作(または製作総指揮)に携わっている。

「モディリアーニ」は、長年コラボレーションを続けているアル・パチーノとバリー・ナビディが共同プロデューサーを務めることでも注目される。2人は、「ヴェニスの商人」(2004)、「ワイルド・サロメ」(2011)、「サロメ」(2013)などを共同で手掛けてきた。

ナビディはこう語っている。「これはアルが大切にしてきたプロジェクト。何年も前に彼が戯曲の『モディリアーニ』を教えてくれて、自分もすぐに惚れ込んでしまったんだ。映画は、単なる伝記ではなく、モディリアーニの人生の一幕を切り取ったものになる。ジョニーとまた一緒に仕事をする日を夢見ていたが、彼はこのすばらしい物語をスクリーンで表現するのにふさわしい、優れたビジョンを持った真のアーティストだよ」(翻訳:清水玲奈)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年8月15日に掲載されました。元記事はこちら

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