迎英里子 Eriko Mukai

  • 30 ARTISTS U35
  • 2022
  • 《アプローチ 6.1》(2020) Photo: Yu Kusanagi
  • 《アプローチ 0.1》(2014) Photo: Kai Maetani
  • 《アプローチ 5.0》(2016) Photo: Hana Sawada
  • 《アプローチ 6.1》(2020)
    Photo: Yu Kusanagi
  • 《アプローチ 0.1》(2014)
    Photo: Kai Maetani
  • 《アプローチ 5.0》(2016)
    Photo: Hana Sawada

迎英里子は「アプローチ」と呼ばれるシリーズにおいて、屠畜(とちく)、石油の精製、金利政策、放射性崩壊、婚姻制度といった、実社会や自然界において見えづらい、あるいは全体を把握しづらいような「体系」に肉薄(アプローチ)する。「体系」は、それぞれ固有の人、もの、制度が絡まり合っているのだが、迎はそれらを剥身(むきみ)の唯物論として——触ることができ、重さを持ち、目に見えるものたちの集まりとして——造形化している。ここで興味深いのは、迎の実践が解剖的フェティッシュや「図解」による教育的効果に留まっていない点である。見る者が「鑑賞(アプローチ)」するのは、作品が体現している「体系」それ自体だけではなく、むしろまったく独立した別の体系たちでもあるからだ。作品に動員された素材自体が持つ物理的な性質があり、手順に基づいて行為する黒子(たち)の身体があり、迎自身による原理の解釈がある。肯定されている鑑賞(アプローチ)は思ったより広い。それは細部への注目、目移り、誤解、今起こった出来事の部分的な脳内再生だ。

迎英里子
Eriko Mukai

1990年兵庫県生まれ、秋田県在住。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。主な展覧会に、20年「ARTS&ROUTES―あわいをたどる旅―」(秋田県立近代美術館)、16年「新しいルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」(KAYOKOYUKI・駒込倉庫)、15年「捨象考」(アキバタマビ21)。
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