ガウディのサグラダ・ファミリア、2026年の完成は叶わず。コロナ禍の影響で資金繰りが悪化
スペインの建築家アントニ・ガウディが設計し、その死後も長年にわたり建設が進められてきたサグラダ・ファミリア聖堂。ガウディ没後100年を記念して、2026年の完成を目指していたが、延期を余儀なくされたことが明らかになった。
*2020年9月17日の記事に加筆
バルセロナを象徴するサグラダ・ファミリアは、100年以上前に建設が始まって以来、未完成のまま数多くの観光客を集めている。近年は工事がスピードアップしていたが、落成まではまだしばらくかかりそうだ。聖堂建設委員会のエステベ・カンプス代表によると、コロナ禍の影響で建設費用の資金繰りが悪化したというのが延期の理由だ。
AFPの報道では、現状サグラダ・ファミリアは「聖母マリアの塔」の建設資金しか手当できていないという。聖堂の中で2番目の高さになる約138メートルのこの塔は、2021年12月に完成している。
ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリアは、1882年に建設が開始されて以来、建設が中断されたのは1930年代のスペイン内戦時の1度だけだ。1926年にガウディが亡くなった時点では、全体の4分の1も建設されていなかった。
ガウディは、18の尖塔でイエス・キリストの生涯を表現することを意図してサグラダ・ファミリアを設計。彼が遺した他の作品と同様、独創的で密度の高い装飾が凝らされた壮大な建築だ。中に入ると、柱廊の天井は見上げるように高く、美しいステンドグラスで彩られている。完成すれば、世界一の高さを誇る聖堂となる見込みだ。(翻訳:清水玲奈)
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