「平和的な抗議行動の予定だった」──米美術館の臨時休館に環境活動団体が反論
ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館が9月7日、環境活動団体のExtinction Rebellionが同館で抗議行動を行うという予告を受けて臨時休館したことに対し、美術館はコメントを発表。同団体はそれに反論している。
9月7日、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館が臨時休館した後、館長のペギー・フォーゲルマンはその理由について、抗議行動が行われる場所だったダッチ・ルームの内装に被害を与える可能性があったと主張した。ダッチ・ルームは1990年代に有名な絵画盗難事件が起こった場所で、未解決のままの現在、そこには空の額縁がいくつも置かれている。
Extinction Rebellionは抗議行動前に、SNSや公式サイトで、「周辺地域の生物多様性の喪失に注意を喚起するための」抗議行動を予告していた。
同団体が9月8日に発表した声明の中で、今回の抗議行動は「平和的な、改革のためのグループ遠足」であることが分かる資料を数週間前から公式サイトで公開しており、美術品の破壊を目的としたものではなかったと、美術館が発表した臨時休館の理由に反論した。
2023年3月中旬にもExtinction Rebellionは同美術館で抗議行動を計画し、美術館は臨時休館している。同団体は、抗議行動は「対話のはじまり」として行うものであり、フォーゲルマン館長が自分たちの目的が理解できず「混乱しているようだ」と主張している。
Extinction Rebellionとイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館にコメントを求めたが、返事は来ていない。(翻訳:編集部)
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