今週末に見たいアートイベントTOP5: モネ晩年の創作を64点で回顧、須田悦弘が東京の美術館で25年ぶりの個展
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!
1. モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)
2メートルの大作は必見。モネ晩年の創作を64点で回顧
印象派を代表する画家のひとりクロード・モネ(1840-1926)の晩年の創作に焦点を当てた過去最大級の展覧会。本展では、世界最大のモネ作品所蔵数を誇るパリのマルモッタン・モネ美術館の約50点に、国立西洋美術館をはじめ日本各地に所蔵される作品を加えた、計64点を展覧する。
展覧会の中心をなすのは、巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆う「大装飾画」の構想過程で生み出された、長辺2メートルを超える「睡蓮」の大作の数々。大画面の「睡蓮」に囲まれて、本物の没入体験をすることができる。
モネ 睡蓮のとき
会期:10月5日(土)〜2025年2月11日(火祝)
場所:国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
時間:9:30~17:30(金・土曜は21:00まで、入館は30分前まで)
休館日:月曜(祝休日は翌平日、1月13日、2月10日は除く、12月28日〜1月1日)
2. カナレットとヴェネツィアの輝き(SOMPO美術館)
ヴェドゥータ(都市景観画)の巨匠カナレットの日本初となる回顧展
17・18世紀のヴェネチアを舞台に活躍した、ヴェドゥータ(都市景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の日本初となる展覧会。ヴェドゥータは透視図法を用い、主として都市の景観を精密に描いた。特にカナレットが描いた街並み、晴朗な空や輝く水面、そして共和国時代の栄華をしのばせる祝祭の光景などは、周遊旅行でイタリアを訪れたイギリスの上流階級に人気を博した。
本展はスコットランド国立美術館などイギリスのコレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成される。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネチアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承しヴェネチアの新たなイメージを開拓していった、ホイッスラー、ブーダン、モネをはじめとする19世紀の画家たちの作品も紹介する。
カナレットとヴェネツィアの輝き
会期:10月12日(土)〜12月28日(土)
場所:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)
時間:10:00 ~18:00(金曜は20:00まで、入館は30分前まで)
休館日:月曜
3. 小林正人 「FAMILY / この星の家族」(rin art association)
小林正人が描く星の家族の家
小林正人は、不定形に切り取られたキャンバスに、指や手などを用いて直接絵の具を重ねる。そして、描くと同時にキャンパスを木枠に貼ってゆくことで、描く世界を木枠に固定しようとしている。本展ではギャラリーの3フロアを使い、各階に新旧混えた床置きの画、壁掛けの画が様々な光を駆使して配置される。
展示作品は、絵筆を咥えてる馬の画《画家の肖像》、画家とモデルを描いた《この星のモデル》、海辺のアトリエで採れたレモンを描いた《檸檬》など。ハートの形のキャンバス《気持ちB》は、白井屋ホテルで同時開催されいている展覧会「ペア作品 分離展示=LOVE」でペア作品《気持ちA》が展示されているのでそちらも必見。
小林正人 「FAMILY / この星の家族」
会期:10月27日(日)〜12月28(土)
場所:rin art association(群馬県高崎市岩押町5-24)
時間:11:00~19:00
休館日:月火
4. 須田悦弘 展(渋谷区立松濤美術館)
須田悦弘、都内25年ぶりの個展
須田悦弘の東京都内の美術館では25年ぶりとなる個展。須田は独学で木彫の技術を磨き、朴の木で様々な植物の彫刻を制作している。生み出される植物は全て実物大で、それらを思いがけない場所にそっと配することで空間と作品が一体となり、独自の世界をつくりあげる。
本展では須田の初期作品やドローイング、近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品等を展示するとともに、新作も発表する。白井晟一による曲線を多用したユニークな松濤美術館の建物に須田の植物を配することで新たなインスタレーション作品として展開される。
須田悦弘 展
会期:11月30日(土)~2025年2月2日(日)
場所:渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14)
時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)
休館日:月曜日(祝日は翌平日)、12月29日~1月3日
5. グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ(ヒカリエホール)
ミュシャの世界に没入体験
19世紀末から20世紀初頭にかけてパリで活躍した画家、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)の没入体験型展覧会。世界中のアートファンから注目を集めるパリのグラン・パレ・イマーシブとミュシャ財団が監修し、パリで2023年に開催したイマーシブ展覧会「Éternel Mucha」を日本向けにアレンジした。
本展は5章で構成される。ミュシャの作品世界を3幕構成で追う第1章「ミュシャ:アイコン/1900年/ユートピア」のほか、ミュシャの生涯を年譜で追っていく第2章「ヒストリー」、第3章「ミュシャのアトリエ」、第4章「ミュシャのインスピレーション」、第5章「インフルエンサー、ミュシャ」を通して、ミュシャの人生、画業、後世への影響などを、学術的な視点と多彩な演出で紹介する。また、会場では本展のためにパリの調香師が作り出した、4つの「香り」を体験することができる。
グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ
会期:12月3日(火)~2025年1月19日(日)
場所:ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F)
時間:11:00~20:00(12月31日のみ18:00まで、入場は30分前まで)
休館日:12月19日、1月1日