片山真理が、ボリス・ミハイロフやユルゲン・テラーも名を連ねるパリのギャラリーへの所属を発表
日本の現代美術家、片山真理が、フランス・パリのギャラリー、スザンヌ・タラシーブに所属したことが発表された。同ギャラリーでは10月14日から11月25日まで片山の作品を展示、2024年11月には個展を開催予定だ。
9歳のときから使用する義足を含めた「自分の身体」をモチーフに、アイデンティティや他者性、あるいはジェンダーや美にまつわるステレオタイプを様々なアプローチを通じて問い続けてきた片山真理が、フランス・パリのギャラリー、スザンヌ・タラシーブに所属した。ギャラリーのプレスリリース及びインスタグラムを通じて、10月4日に発表された。
片山は1987年生まれ。2012年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了し、2019年に出版した写真集『GIFT』(United Vagabonds)と「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ」(イタリア・アルセナーレ、ジャルディーニ)への出品で、第45回木村伊兵衛写真賞を受賞。近年は、群馬県を拠点としながら、日本国内だけでなくフランス・ヨーロッパ写真美術館での「Home Again」(2021年)や、ウィーン・Foto Arsenalで11月19日まで開催中の「Mine and Yours」(2023年)など、国外での発表も積極的に行っている。2022年にはテート・モダンに作品が収蔵され、日本人の女性アーティストとしては、オノ・ヨーコ、草間彌生、石内都、野村佐紀子に次ぐ5人目となった。
スザンヌ・タラシーブは、昨年末に逝去したスザンヌ・タラシーブによって2011年にパリのマレ地区に設立された。所属アーティストには、ゲオルク・バゼリッツやボリス・ミハイロフ、ユルゲン・テラーなどの著名アーティストが名を連ねるが、日本人作家としては片山が初となる。
同ギャラリーは声明の中で、次のように彼女を評価した。
「片山真理は初期のセルフポートレイトは、等身大の人形や石、貝殻で飾られ、精巧に構築された空間の中での、演出された、あるいは理想化された自分の姿だ。これらは別の現実であり、その過剰で美しい構築物を自在に操りながら自らのありようを描く片山の姿は、従来の『障がい』の概念に反する。彼女は先天性の病気を持って生まれたが、作品ではその病気を超越し、見る者に社会規範や美の基準を再考させる原動力に変えている」
今回の発表に続き、同ギャラリーでは2023年10月14日から11月25日まで片山のお披露目となるPROJECT ROOMでの展示が開催され、2024年11月には、個展も開かれる予定だ。
また、10月23日から始まるテート・モダンのコレクション展でも、片山の作品を見ることができる。