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古代メソポタミアの遺跡から、2メートルを超える人物の彫刻が発見。「この時代で最も写実的」

トルコ南東部にあるカラハン・テペ遺跡から、2メートルを超える人物の彫像が発見された。専門家らは、この彫刻が聖書に関連する可能性があるものだとしている。

トルコ、カラハン・テペ遺跡で発見された人物の彫刻。 Photo:The Turkish Ministry of Culture And Tourism

カラハン・テペ遺跡で発掘された人物の彫像は、肋骨、背骨、肩の骨、リアルな表情が描かれているのが特徴で、発掘を監督したトルコ文化観光局は「この時代で最も写実的な彫刻のひとつ」と称している。この遺跡は紀元前9400年頃のものであることから、この種の人間の像としてはこれまで発見された中で最古のものだと推測される。

上メソポタミア地方に位置し、古代の農村集落があるカラハン・テペ遺跡は、古代都市ウルと考えられているシャンルウルファ市の東約60キロメートルに位置している。この都市は、ユダヤ教キリスト教イスラム教に登場する「信仰の父」アブラハムの生誕地と考えられており、3つの宗教の間では聖地とされている。

近くのギョベクリ・テペ遺跡では、H字型のシンボル、三日月、2匹のヘビ、3人の人間の顔(または仮面)で飾られたベンチの上で石灰岩で出来た等身大のイノシシ像が発見された。像の表面には赤、白、黒の顔料が残されており、この時代の彫像としては初めての特徴となる。

1963年、イスタンブールとシカゴの大学による共同調査でギョベクリ・テペ遺跡が発見され、1995年に発掘が始まった。この遺跡の巨石群は、イギリスのストーンヘンジよりも約6000年も前に作られたと考えられている。

ギョベクリ・テペ遺跡は、聖書のノアの記述に関連していると信じられており、紀元前9600年に遡る、最も古く、最も大きな信仰の中心地となっている。(翻訳:編集部)

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