麻布台ヒルズのアートな見どころを一気にレビュー! 五感を刺激するオラファー・エリアソン展、パブリックアート・ハンティング etc.
超高層ビルの外観デザインをシーザー・ペリとフレッド・W・クラーク(Pelli Clarke & Partners)が、そして低層部をトーマス・ヘザウィック(Heatherwick Studio)が手がけた麻布台ヒルズが11月24日に開業する。随所に自然とアートを取り入れた新しい街は、今後どんなふうに「未来の暮らし」を体現していくのか。そのアートな見どころをレポートする。
麻布台ヒルズは、オフィスや商業施設、住宅、予防医療センターなどを擁する超高層ビルの森JPタワー、主に住宅とホテルで構成されるレジデンス(A/B)、ミュージアムやギャラリーなどが入居するガーデンプラザ(A/B/C/D)からなる、まったく新しい街だ。「Green&Wellness」をキーワードに、「人間中心」という理想を追求したこのコンパクトシティでは、それぞれの建物の間を豊かな緑が埋め尽くす。
麻布台ヒルズギャラリー開館記念展として「オラファー・エリアソン展」が開催
アート好きがまず目指したいのは、ガーデンプラザA MB階にある麻布台ヒルズギャラリーだろう。
開館記念展として「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」が11月24日(金)から2024年3月31日(日)まで開催される。光と水を用いた大型インスタレーション《瞬間の家》(2010)や、複雑に屈折する光を内包する幾何学立体の《蛍の生物圏(マグマの流星)》(2023)など、鑑賞者の認知を揺さぶる注目作品を体験できる貴重な機会だ。
展示の最後では、オラファー・エリアソンと森美術館館長の片岡真美との対談映像を見ることができ、環境問題にも積極的に取り組んできた大人気作家の思考の一端に触れることができる。
「スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチン」とのコラボレーション
麻布台ヒルズギャラリーをあとにしたら、併設のカフェへ。エリアソン展の会期中は、彼が自身のベルリンのスタジオに構える「スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチン」とのコラボレーションによる「THE KITCHEN」がオープン。ベルリンでも提供されているオリジナルメニューに加え、今回の企画のために開発したスペシャルメニューをビュッフェスタイルで堪能できる。
開館記念展オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期
会場:麻布台ヒルズギャラリー
会期:2023年11月24日(金)〜2024年3月31日(日)
奈良美智、ジャン・ワンなど4つのパブリックアート
五感を刺激するアート体験のあとは、麻布台ヒルズの「オアシス」である中央広場でリラックスしよう。ここには、森美術館がキュレーションを手掛けた4つのパブリックアートが展示されている。森JPタワーエントランスでは、オラファー・エリアソンの《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》(2023) 、中央広場では、奈良美智《東京の森の子》(2023)やジャン・ワン《Artificial Rock. No.109》(2015)、曽根裕《石器時代最後の夜》(2017/2023)を鑑賞することができる。
「舞台裏」で楽しむアートと食、チームラボほか
麻布台ヒルズのアートな見どころは、これで終わらない。真っ白な光が空間を満たす、真新しく華やかな施設の中でひときわ異彩を放っているのが、ガーデンプラザB 地下2階にあるギャラリー兼レストラン「ギャラリーレストラン舞台裏」で開催中の、加藤泉の個展(11月24日〜2024年1月8日まで)。まさに「舞台裏」を彷彿させる薄暗い空間から、日本では初披露となるアルミを用いた彫刻が行き交う人々を見つめている。奥のスペースでは、ワインやビールなどのアルコールから気軽なプレート、そして本格的なメインディッシュを楽しみながら、アート談義に花を咲かせることができる。
さらにガーデンプラザB 地下1階には、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」が2024年2月上旬に、ガーデンプラザA 2階にはガゴシアン、ハウザー&ワース、デイヴィッド・ツヴィルナーと並び世界4大メガギャラリーに数えられるペース・ギャラリーが、2024年春にオープンする予定だ。
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