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「沈黙は加担と同義」──テート・モダンで女性たちがハマスによる性暴力の解決を訴える

1月26日、ロンドンテート・モダンで無料開催されていたフェミニスト・アートのイベント「Late at Tate Modern」に多くの女性たちが集まり、10月7日に起きたイスラエルへの攻撃から続いているハマスによる性暴力疑惑を解決するための支援を訴えた。

テート・モダンで抗議活動を行う活動家たち。Photo: Amanda Rose

1月26日の夕方、ロンドンテート・モダンの外には、ハマスによる性暴力疑惑に抗議する活動家たちがフェミニスト・アートのイベント「Late at Tate Modern」に殺到していた。

ジューイッシュ・クロニクルの報道によると、抗議に参加した女性たちは、10月7日にイスラエルが攻撃された際に、ガザ地区の過激派組織に誘拐された19歳のナーマ・レビーに敬意を示すべく、血のついたズボンを着用した。彼女らはまた、人質の名前と顔が描かれたプラカードを持ち、「レビーを連れ戻せ」や「レイプは戦争犯罪だ」といったかけ声を叫んでいた。

「Late at Tate Modern」は、アート集団ゲリラ・ガールズや、ロシアのパンク・ロックバンドであり、レジスタンス・グループのプッシー・ライオットなどが参加していたイベントで、活動家たちはその会場の外に陣取っていた。

今回行われたデモは、イスラエルに人質として捕らわれている女性たちの認知度を高めること、そして、この性暴力問題に対し十分な支援を行っていないフェミニスト団体、文化団体、女性団体を批判することを目的としていた。イベントの主催者は、「ハマスによる女性と女児の集団レイプを前にして、世界中のフェミニストコミュニティは沈黙した。それは加担しているのと同義です」と訴えた。その後女性たちは、無言のまま美術館のタービンホールに入った。

「これらの団体のほとんどは、10月7日の大虐殺の際に、イスラエル人女性や少女に対して振るわれてきた暴力や性犯罪に目を向けず、適切な対処もしていません。そして彼女たちは、人質になってから100日以上が経つ今も、同じような被害に直面しているのです」

彼女らの抗議活動は、大規模に行われている草の根運動「#BringThemHomeNow」をはじめとする取り組みの一つだ。このキャンペーンは、連れ去られた人々を家に帰し、残された家族を支援することを目的としている。

これまで、解放された人質はハマスによる性暴力を目撃したと語り、超正統派ユダヤ教の遺体回収団体ZAKAの一員は、性暴力とレイプの証拠を掴んだと報告している。ニューヨーク・タイムズは2カ月にわたって調査を行い、10月7日の女性に対する攻撃は「ジェンダーに基づく暴力の典型的なパターン」の一部であると主張した。(翻訳:編集部)

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