NYの女性2人がアート専門の人材サービスを起業。コネのない働き手をつなぐ架け橋となれるのか
名だたるオークションハウスやギャラリーでキャリアを積んできた二人の女性によって、アート業界専門の人材紹介会社Field Recruitmentがニューヨークで立ち上げられた。アート事業の専門化が世間的に進んでいるなか同社は、縁故主義ではなく実力に基づいた人材を紹介し、業界への入り口を広げようとしている。
アート業界には、親の名声によってその地位を獲得した「ネポティズム・ベイビー(縁故主義ベイビー)」があふれているかもしれないが、そういった状況の打破を試みる企業が新たに立ち上げられた。その企業とは、アート業界に特化した人材紹介とコンサルティングを担うField Recruitmentだ。
同社は、適したスキルをもつ人材と企業をマッチングさせることで、アートに興味をもつ一般人と富裕層にその世界の門戸を開こうとしている。創業者のイネス・デ・セローとミーガン・オデルは、ガゴシアン、ペース、サザビーズ、フィリップスなどを30年ほど渡り歩き、アート業界で確固たる地位を築いてきた。
「アート業界の規模と知名度は、この10年で飛躍的に向上しています。また、アートビジネスや施設、その他の非営利団体は事業を専門化しようと躍起になっています」
デ・セローはそう語る。業界が可視化されたことで(そしてアートの文化的価値に惹かれて)、ギャラリーや美術館といった閉鎖的な空間を渡り歩くために必要なコネクションやキャリアをもたない人々の間で、アート界でキャリアを築こうという意欲が高まっているのだ。オデルも続ける。
「この業界には、これまでとは異なるアプローチが求められています。イネスと私は、さまざまな職務で求められることや業界の作法、志願者がそれぞれのポジションで成功するために必要なスキルといったものを、キャリアを通して蓄積してきました」
もしアート業界でキャリアを積みたい方は、履歴書のご準備を。(翻訳:編集部)
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