中国・戦国時代の古代墓174基を湖北省で発見。大量の出土品には覇権争いを物語る剣や戦車も
中国・湖北省で、174基の戦国時代の墓と500を超える遺物が発掘された。大規模な墓所群は、昨夏、襄陽市の文物考古研究所がインフラ整備に先立つ調査を行った際に見つかったもの。
発掘された174基の墓は、戦国時代(紀元前5世紀から紀元前221年)の竪穴墓。そのほかに、漢王朝時代(紀元前206年から紀元後220年)の墓2基が見つかったとニューズウィーク誌などが伝えている。
中国の戦国時代は諸侯が覇権を争った群雄割拠の時代で、各国が興亡を繰り返したのち、中国史上初めての統一王朝である秦が成立した。この時代には、孔子や老子など諸子百家と言われる思想家が生まれ、中国文化の土台となる哲学的な考えが説かれている。しかし、人々の暮らしについては数十年前までほとんど分かっていなかった。
戦国時代の墓のうち9基は傾斜した通路のある中規模のもので、大きいものでは長さ約9メートル、幅約5メートルを超える。その他は通路のない小規模なものだった。また、墓所で見つかった副葬品は、陶器の破片、剣や槍などの青銅器、木製品や翡翠の指輪など、500点以上にのぼる。
中でも大きな墓の1つからは、青銅製の祭器、剣、匙などが発見された。その近くには馬の埋葬穴があり、2頭の馬の骨と戦車が残っていた。考古学研究者らは、どちらも高位の貴族のものと見ている。(翻訳:石井佳子)
from ARTnews