ロエベ財団がクラフトプライズ2024の受賞者を発表! 大賞はメキシコのアンドレス・アンサ、特別賞には日本の浅井美樹も
ロエベ財団がクラフトプライズ2024の受賞者を発表した。大賞はメキシコのアーティスト、アンドレス・アンサ(Andrés Anza)による等身大のセラミック作品《I only know what I have seen》(2023)。日本の浅井美樹も特別賞に選出された。
ロエベ財団がクラフトプライズ2024の受賞者を発表した。3900もの応募者から大賞に選ばれたのは、メキシコのアーティスト、アンドレス・アンサ(Andrés Anza)による等身大のセラミック作品《I only know what I have seen》(2023)。特別賞には、日本の浅井美樹による《Still Life》(2023)、フランス出身のエマニュエル・ブースによる《Coffee Table ‘Comme un lego’》(2023)、そして韓国のヒチャン・キムによる《#16》(2023)が選ばれた。
今年のクラフトプライズ選出に際して重視されたのは、「日常の昇華と変容」という視点。既にある自然の産物や人工物を素材に用いるアプローチや、リサイクルされた素材を使った作品が高く評価された。
大賞を受賞したアンドレス・アンサは、1991年にメキシコ北東部の街、モンテレイに生まれた。2014年にモンテレイ大学を卒業後、親しみがあるようで見たことのない、想像力を掻き立てる造形のセラミック作品を生み出してきた。受賞作《I only know what I have seen》を含め、そのほとんどが無数のスパイク状の突起をまとっており、いまにも動き出しそうな生命感に溢れている。
マグダレン・オドゥンド、ミンスク・チョ、オリヴィエ・ガベ、 アブラハム・トーマスを含むデザイン、建築、ジャーナリズム、批評、 キュレーションの世界をリードする審査員たちは、アンサの作品を「時間や文化的背景を超越する」として、「陶芸を現代を特徴づける影響を吸収する芸術と捉えるポストデジタルの美学を明らかにしている」と称賛する。
ロエベのクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンの発案により2016年にスタートしたクラフトプライズは、現代のクラフトマンシップの卓越性や芸術的先見性、革新性を讃えるものであり、皮革製品の工芸工房として1846年に誕生したロエベのルーツを体現している。アンダーソンは「クラフトはロエベの真髄」と語り、「ロエベは最も純粋な意味でのクラフトを追求しています。それが私たちの現代性であり、常に関連性を持ち続けるのです」とコメントしている。
アンサを含む16の国と地域を代表する30人のファイナリストによる作品は、2024年5月15日から6月9日まで、パリのパレ・ド・トーキョーにて展示されるほか、オンラインでも見ることができる。