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  • 2024.06.03

屋根裏部屋から見つかったジョン・レノンの「フーテナニー・ギター」が4億5000万円で落札!

5月29日に行われたオークションで、ジョン・レノンが使用したアコースティックギターが約4億5000万円で落札され、ビートルズのギターとして史上最高額を樹立した。このギターは、1965年のアルバム『ヘルプ!』および映画『ヘルプ! 4人はアイドル』で使用されたもの。

ジョン・レノンが1964年に購入したフラムスのフーテナニー・ギター。Photo: Julien's Auctions

5月29日・30日の2日間、ニューヨークのハードロック・カフェでジュリアンズ・オークションズがミュージック・アイコンズ・セールを開催。ジョン・レノンのギターは、予想落札価格60万〜80万ドル(約9400万〜1億2600万円)のところ、最高予想額の3倍を超える286万ドル(約4億5000万円)という驚異的な金額で電話による入札者が落札し、史上最高額を記録した。これまでの最高額は、2015年にレノンのJ-160Eギブソンが付けた241万ドル(約3億8000万円)だった。

ジュリアンズ・オークションズのデイヴィッド・グッドマンCEOは、声明で喜びをこう述べている。

「所在不明になっていたジョン・レノンのフーテナニー・ギターが落札額の新記録を打ち立て、大きな興奮を覚えると同時に光栄に感じています。このギターは、音楽史の一部であるだけでなく、ジョン・レノンの不朽の遺産の象徴でもあります」

このギターは、60年代後半にポップ・デュオ、ピーター&ゴードンのゴードン・ウォーラーの手に渡り、その後50年以上、所在が分からなくなっていた。現在の所有者は、最近イギリスの自宅の屋根裏部屋にあったのを見つけ、ジュリアンズ・オークションズにコンタクトしたという。

落札されたフーテナニー・ギターは、ドイツの名門ブランドであるフラムスが1960年代初めに製造した12弦のアコースティックギター。レノンが購入したのは1964年後半で、1965年にリリースされたアルバム『ヘルプ!』のレコーディングで使用したことが広く知られている。収録曲の中では、「ヘルプ!」のほか「悲しみはぶっとばせ(You've Got to Hide Your Love Away)」、「イッツ・オンリー・ラブ」、「夢の人(I've Just Seen a Face)」といった名曲でもその音を聴くことができる。また、同じ1965年公開の映画『ヘルプ! 4人はアイドル』に登場しているほか、ジョージ・ハリスンも「ノルウェーの森(Norwegian Wood)」で使用した。

2日にわたり行われたオークションの初日は、出品の98.5%が落札されるなどほぼ完売の状態で、予想の3倍にあたる600万ドル(約9億4000万円)の売り上げを記録。ビートルズのゴールドレコードや映画『イエロー・サブマリン』のセル画といったレアものを含むジュリアン・レノン・コレクションは、落札総額57万ドル(約9000万円)以上に達した。そのほかにも、ドリー・パートンのギターが1万400ドル(約163万円)、ローリング・ストーンズのプリント物が1万6250ドル(約255万円)、エリック・クラプトンのギターが10万1600ドル(約1600万円)で落札。2日目のオークションにはプリンス、セックス・ピストルズのスティーブ・ジョーンズ、U2ゆかりの品々が出品されている。(翻訳:石井佳子)

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