ARTnewsJAPAN

予定より50年遅れ? ミラノのブレラ近代美術館が2024年末オープンへ

イタリア・ミラノにブレラ近代美術館が2024年12月にオープンする。同館には近隣にあるギャラリー、ピナコテカ・ディ・ブレラが保有している近代美術作品が展示される予定で、開館当日にはスカラ座によるガラ公演が行われるという。

イタリア人アーティスト、マリノ・マリーニの作品とピナコテカ・ディ・ブレラに収蔵されているブレラ近代美術館の常設コレクション。Photo: Robert Serra - Iguana Press/Getty Images

「どれだけ時間がかかってもやらないよりはまし」という言葉があるように、発案から50年以上が経つ2024年12月7日に、近代美術に特化した美術館がイタリア・ミラノに開館するという。美術館の開館が遅れた理由として、空調から出る空気にアスベストが含まれていたことが挙げられる。

ブレラ・モダンには、近隣にあるギャラリー、ピナコテカ・ディ・ブレラが所有する近代美術が収蔵される見通しだ。1809年に創設されたブレラには、カノーヴァやカラヴァッジョラファエロといった大芸術家の作品が収蔵されているが、近代の作品は展示されることなく倉庫に長いこと保管されてきた。運営側によると、開館に際して記念のガラ公演がスカラ座によって行われるという。

ブレラ近代美術館を率いるアンジェロ・クレスピは、前任のイギリス系カナダ人の歴史家、ジェームズ・ブラッドバーンから引き継ぎ2024年2月から現職。ブラッドバーンは8年(4年の任期を2期務めた)にわたる自身の任期中に開館させようと尽力したが叶わず、トップの座を退かなければならなかった。

イタリアの現政府は超保守的であり、今回の交代も、文化機関のリーダーにイタリア人を起用するという政府の考えが反映されている。

ブレラに新設される近代美術館によって、今年の総来場者数は昨年の46万6709人から増加し、50万人を超える見込みだ。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい