インベーダーが「オリンピックのための作品」を公開! パリの街中に描いた1512番目の作品
バンクシーが4作連続で新作を公開しているなか、フランス人アーティストのインベーダーがセーヌ川沿いに「オリンピックを祝う」ための作品を公開した。これまでの作品と同様に青を基調とした本作は、動き回るアスリートを表現しているように見える。
バンクシーがロンドンの街中で4つの新作を公開して世界中から注目される一方、オリンピック開催中のパリで作品を公開したアーティストもいる。世界中に熱狂的なファンをもつ正体不明のフランス人アーティスト、インベーダーだ。
インベーダーはバンクシーと同じ週にセーヌ川沿いに「オリンピックのための特別な作品」を発表し、その様子をInstagramに投稿した。
新たに公開された作品も、これまでの作風と同じく青を基調としたピクセル画で、作品の輪郭は激しく動くアスリートをどことなく想起させる。彼の代理人はAP通信に、「インベーダーはこのモザイク画でパリオリンピックを祝いたいと話しています。走っているインベーダーは、オリンピックのエンブレムと同じ色を身に着けているのです」と語っており、この解釈に信ぴょう性をもたせている。
AP通信によればこの新作は、インベーダーがパリの路上で発表した1512番目の作品だという。他の作品は、香港やローマなど、世界各地で見ることができる。
インベーダーの作品はバンクシーの壁画と同様、破壊行為に該当することから、フランスの法律では厳密には違法だが、同国の政府関係者は彼を支援することを表明している。その証拠の一つとして、『ニューヨーカー』は2023年、パリ市長のアンヌ・イダルゴの執務室にはインベーダーの作品が飾られていると報じている。今回発表された《PA_1512》と題されたこの新作が、オリンピック委員会から正式に認可されたものなのかどうかは定かではないが、彼はInstagramの投稿で2024年パリオリンピックと市のアカウントをタグ付けしている。
インベーダーの作品の多くはゲーム「スペースインベーダー」を参照しており、過去に『ニューヨーカー』の取材で「私の作品は、ピクセルに物質性を与えることを目的としています」と語っている。(翻訳:編集部)
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