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  • 2024.09.20

今週末に見たいアートイベントTOP5: 12作家がとらえる東南アジアの今、海のマイクロプラスチック汚染への考察

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」(アーツ前橋)より、Citra Sasmita《Timur Merah Project Ⅲ ; Ode to the Sun》2020 Photo by Ahmad Iskandar, courtesy of Yeo Workshop.

1. 「誰がマイクロプラスチックを食べているの?」(アニエスベー ギャラリー ブティック)

展示風景

マイクロプラスチックをめぐる海洋問題を共に考える

アニエスベーの創設者であるアニエス・トゥルブレは、一般社団法人タラ・オセアン・ジャパンを2016年に設立し、海洋科学を発展に努めている。また、2020年には日本沿岸のマイクロプラスチック汚染に焦点を当てたプロジェクト、Tara JAMBIOマイクロプラスチック共同調査をスタートさせた。

本展はTara JAMBIOによる3年にわたる調査で採取されたマイクロプラスチックのデータを展示するほか、昨年からアニエスベー・ジャパンがタラ・オセアン・ジャパン、パートナー企業と共同で実施しているビーチクリーン活動を起点に海洋プラスチック問題について紹介。手遅れになる前に行動を起こす「予防原則」の視点から、鑑賞者も共にマイクロプラスチックへのそれぞれの考えを共有する場となっている。

「誰がマイクロプラスチックを食べているの?」
会期:7月27日(土)〜9月29日(日)
場所:アニエスベー・ギャラリー・ブティック(東京都港区南青山5-7-25)
時間:12:00~19:00
休館日:月曜(祝日は除く)

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2. マーク・ヴァン・デン・ブリンク 「Stills & Stones」(POST)

©︎ Mark van den Brink

オランダの写真家が撮る独特な静物写真の世界

オランダの写真家、マーク・ヴァン・デン・ブリンクの書籍『Stills & Stones』の刊行を記念して開催される展覧会。ヴァン・デン・ブリンクはスパイカメラと呼ばれるミノックスのカメラを使用し、車の中から覗くように自分の周りの世界を撮影する。静物写真を撮影するのには最適とは言えない機種であるが、写真をプリントした際に現れる独特な荒い質感にこだわって制作を続けている。

本展ではフリーランスの写真家として活動をしながら、個人的なプロジェクトの取り組みで生まれた写真作品の展示販売のほかに、プリント付きのスペシャルエディションも発表される。

マーク・ヴァン・デン・ブリンク 「Stills & Stones」
会期:9月7日(土)〜10月6日(日)
場所:POST(東京都渋谷区恵比寿南2-10-3)
時間:11:00〜19:00
休館日:月曜


3. ジャヌアリオ・ジャノ 「Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)」(Gallery & Restaurant 舞台裏)

Photo: Courtesy of Januario Jano/photo by Ryo Yoshiya 

土地の記憶と空間を繋ぐ展覧会

彫刻、ビデオ、写真、テキスタイル、サウンド・インスタレーション、パフォーマンスなど、幅広い分野で活躍するアーティスト、ジャヌアリオ・ジャノの個展。ジャノの作品には、出身地アンゴラが歩む植民地支配からの独立と内戦の歴史の中で生まれた様々な記憶と、民族の移動や文化的な同化といったテーマが反映されている。

見どころは、展示された作品同士の関係性の構築だ。アンゴラで個人的な思い出の詰まったものを入れるために使われる綿袋をもとに作られた作品《Mponda》と対峙するように展示されているのが、 西アフリカで伝統的に生産されながらも植民地時代には奴隷売買のための通貨として利用されたビーズを使った作品《Nganbé》である。《Mponda》の身体的表現を《Nganbé》が補足する形で関係性を保っているのだ。ジャノは拾い集めた記憶を丁寧につなぎ合わせていくことで、忘れられていた物語を再構築している。

ジャヌアリオ・ジャノ 「Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)」
会期:9月7日(土)〜10月14日(月祝)
場所:Gallery & Restaurant 舞台裏(東京都港区虎ノ門5-8-1)
時間:11:00~20:00
休館日:月曜(祝日は翌平日)


4. WHAT CAFE EXHIBITION vol.37:Canvas of a Narrative(WHAT CAFE)

「WHAT CAFE EXHIBITION vol.37:Canvas of a Narrative」メインビジュアル

16人の新鋭作家が紡ぐ「物語」

「narrative」をキーワードに、WHAT CAFEが注目するアーティスト16人による物語性を感じさせる約150~200点の作品を展示販売する。昔慣れ親しんだ絵本の挿絵、アニメや映画の登場人物の眼差しや仕草など、記憶の奥底に眠る感情を呼び起こす作品が並ぶ。

参加アーティストは、芦川瑞季、石田恵嗣、因幡都頼、井上時田大輔、岡田菜美、岡野智史、加藤崇亮、榊貴美、鈴木初音、西太志、深田桃子、増田伊眞、もりさこりさ、山田勇魚、山田ひかる、吉岡かおる。

WHAT CAFE EXHIBITION vol.37:Canvas of a Narrative
会期:9月13日(金)〜9月29日(日)
場所:WHAT CAFE(東京都品川区東品川2-1-11)
時間:11:00 ~ 18:00(最終日は17:00まで)
休館日:会期中無休


5. 「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」(アーツ前橋)

Ho Tzu Nyen《T for Time: Timepieces》2023 Photo by Singapore Art Museum, courtesy of the artist and Kiang Malingue.

12組の作家がとらえる東南アジアの過去と現在

流動する東南アジア地域の文化、社会の状況を12組22点の作品で紹介する。ホー・ツーニェンやコラクリット・アルナーノンチャイなど、世界的に活躍する作家に加え、日本初紹介の若手作家が集結した。テクノロジーの登場や、アジアの台頭などグローバルな事件を体験している作家による作品のほか、女性作家による女性の身体や社会的位置づけを再考する作品などから、「多様性と流動性」に満ちた東南アジアの姿を捉える。

注目は多数の映像やサウンドを用いた没入型作品を介して体験する「リキッドスケープ=流動する風景」。これは絶えず形を変え、予測不可能な物事が次々に起こる「現代」を表現しており、感覚を開放して作品に飛び込むことで、今を生きる私たちに新たな視点を教えてくれる。

「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」
会期:9月21日(土)〜12月24日(火)
場所:アーツ前橋(群馬県前橋市千代田町5-1-16)
時間:10:00〜18:00(入場は30分前まで)
休館日:水曜

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