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今週末に見たいアートイベントTOP5: 田中一村の代表作250件を網羅する大回顧展、潘逸舟が最新作を発表

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

田中一村展 奄美の光 魂の絵画(東京都美術館)より田中一村「椿図屏風」 昭和6年(1931)絹本金地着色 2曲1双 千葉市美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama

1. 「森靖展 -Gigantization Manifesto-」(碌山美術館)

展示風景

今注目の若手彫刻家、森靖の初期から現在までを振り返る

現代彫刻における期待の若手と評される木彫作家、森靖の美術館では初となる個展。森は近作《3MMM-Rivalry》がオーストラリア・メルボルンのヴィクトリア国立美術館に収蔵されるなど、世界的な評価が高まっている。本展では学生時代の作品から代表作、近作までが一堂に会する。

展示作品は、ポップアイコンの解体やグロテスクの文脈で解釈されるマリリン・モンローを河童と掛け合わせた「キマイラ」の《Much ado about love-Kappa》のほか、自由の女神をわずか4センチ大に仕立てた《On the hand-The statue of liberty》、約3メートルの《3MMM-Melt & messy》など。造形思考をたどりながら、森の芸術世界を体感する格好の機会となるだろう。

「森靖展 -Gigantization Manifesto-」
会期:9月14日(土)〜12月8日(日)
場所:碌山美術館(長野県安曇野市穂高5095-1)
時間:9:00〜17:10(11月1日~12月8日は16:10まで、入館は30分前まで)
休館日:11月5日、11日、18日、25日、12月2日

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2. ガーダー・アイダ・アイナーソン 「“Ride of the Valkyries” Continues」(OSCAAR MOULIGNE)

“Rain Pattering on Roof”, 2024 Gouache on Arches paper 76 x 56 cm (30 x 22 inches)

テクノロジーが古びた先の未来を考察

ノルウェー出身のアーティスト、ガーダー・アイダ・アイナーソンは社会・政治・経済構造の内部に存在する複雑な権威の関係やヒエラルキーを検討する作品で知られている。

本展では、テクノロジーが極端なスピードで古びて行き、管理システムの基盤が揺らぎつつある現代社会をイメージした、ペインティングとスカルプチャーを初公開する。ペインティング作品では映画や戦争、SF、スタンダップコメディなどのTV番組の字幕を素材にした。そのほか、既製品を組み合わせて作られたインスタレーションが展示される。

ガーダー・アイダ・アイナーソン 「“Ride of the Valkyries” Continues」
会期:9月7日(土)〜11月23日(土)
場所:OSCAAR MOULIGNE(京都市北区紫野1)
時間:11:00〜17:00
休館日:日月


3. 田中一村展 奄美の光 魂の絵画(東京都美術館)

「不喰芋と蘇鐵」 昭和48年(1973)以前 絹本着色 個人蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyam

田中一村が描いた澄んだ光の世界

画家・田中一村(1908-1977)の代表作を網羅する大回顧展。神童と呼ばれた幼年期から、終の棲家である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、絵画作品を中心に、スケッチ、工芸品、資料を含めた250件を超える作品を展示する。

本展では奄美で描いた代表作《不喰芋(くわずいも)と蘇鐵》、《アダンの海辺》はじめ、未完の大作も展示。近年発見された初公開作品も多数出品される。展示を通して、世俗的な栄達とは無縁な中で、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の真髄に迫り、「生きる糧」としての芸術の深みにふれる。

田中一村展 奄美の光 魂の絵画
会期:9月19日(木)〜12月1日(日)
場所:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
時間:9:30〜17:30(金曜は20:00まで、入館は30分前まで)
休館日:月曜(祝日は翌平日)


4. 六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家(21_21 DESIGN SIGHT)

「ロッジア 387」ウォールナット材(2015) Photo by Michele De Lucchi

日本とイタリアが融合する「間(あわい)の空間」

現代イタリアを代表する建築家、デザイナー、アーティストのミケーレ・デ・ルッキの個展。本展ではデ・ルッキの彫刻「ロッジア」シリーズから木製3点、ブロンズ製3点の6作品を初公開する。

「ロッジア」では日本とイタリア双方の文化を互いを融合させ、家の内で営まれる生活と外の環境が融合する場である「間(あわい)の空間」を探求している。展示を通して人々が他者と、都市と、あるいは自然と共に生きる助けとなる健全な建物とはなにかを模索する。ヴィクトル・コサコフスキー監督による制作過程の映像も必見だ。

六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家
会期:9月20日(金)〜10月14日(月・祝)
場所:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
時間:10:00〜19:00(9月27・28日は22時まで)
休館日:火曜


5. 潘逸舟 「波を耕す」(ANOMALY)

《波を耕す-日本海》2024年, シングルチャンネルビデオ ©︎Ishu Han

潘逸舟が見せる共同体と個の姿

いま最も注目の若手作家の1人である潘逸舟は、社会と個人の間に広がる力学、他者と個人の相互的影響関係やそこから芽生えるアイデンティティについて探究を続け、多彩な表現力のもと、映像やインスタレーションをはじめ、写真、立体、パフォーマンス、絵画と、さまざまなメディアを用いて活動を行っている。

本展では、代表作のひとつである、潘自身が海に向かって行うパフォーマンスを定点から撮影した映像作品シリーズより、最新作《波を耕す-日本海》を展示するほか、ホームビデオの音声が辞書から聴こえてくる《辞書が言葉を学ぶとき》、高松市美術館で2022年に行われた展覧会で発表された《タイム・アンド・スペース / イサム・ノグチ、1989年作》の再構成も展示される。

潘逸舟 「波を耕す」
会期:9月21日(土)〜10月19日(土)
場所:ANOMALY(東京都品川区東品川1-33-10)
時間:12:00 〜18:00
休館日:日月祝

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