ヒョンデが新進キュレーターから展示企画を募集! ファイナリストには1600万円の制作費を提供
自動車メーカーのヒョンデが「ヒョンデ・ブルー・プライズ+」の公募を3月20日から開始した(締め切りは6月8日)。新進キュレーターを対象に、現代のアジア社会が抱える課題を解決する展覧会の企画案を募集しており、選出された2組には最大約1600万円相当の制作費が授与される。

自動車メーカーのヒョンデ(現代自動車)が、「ヒョンデ・ブルー・プライズ+(Hyundai Blue Prize+)」2025年の公募を開始した。同プライズは、北京のヒョンデ・モーター・スタジオで開催予定の現代アジア社会の課題に光を当てる展覧会に向けたもので、世界各国の新進キュレーターから展示の企画案を募集するというもの。選出された2組のキュレーター、またはキュレトリアル・コレクティブには、最大11万ドル(約1640万円)相当の制作費が与えられる。応募締め切りは6月8日まで。
2017年に始まった「ヒョンデ・ブルー・プライズ」は、これまで中国の「ヒョンデ・ブルー・プライズ アート+テック」と韓国で行われた「ヒョンデ・ブルー・プライズ デザイン」を通じて、新進キュレーターを支援してきた。今年からは「ヒョンデ・ブルー・プライズ+」に名称を変更し、学際的な研究の土壌を育むと同時に、異文化間の対話を促進するという。ヒョンデのアートディレクターを務めるチェ・ドゥウンはこう語る。
「キュレトリアルな実践が現代の変化を反映して進化する中、ヒョンデ・ブルー・プライズ+は慣例を疑い、多様な視点をもつキュレーターを受け入れるための実験室として機能します。新進キュレーターが、いかに重要な問題に取り組み、分野やコミュニティを超えた有意義な対話を広げていくかを目の当たりにできることを楽しみにしています」
今年の審査員には、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムのチーフ・キュレーターを務めるヨーヘン・アイゼンブランド、スミソニアン協会国立アジア美術館のアソシエイト・キュレーター、キャロル・K・ハー、テート・モダンの元ディレクターで梨花女子大学の特別客員教授であるフランシス・モリス、ホイットニー美術館のデジタル・アート・キュレーター、クリスティアン・ポール、そしてUCCA現代美術センターのディレクターを務めるフィリップ・ティナリの5名が名を連ねる。
応募に際しては、展覧会の概要を示すキュレトリアル・ステートメント、提案する作品の一覧、展示スペースのデザイン案、予算、展覧会に関連する公開プログラムの枠組みの提出が求められる。加えて、会場となるヒョンデ・モーター・スタジオ北京の2階のギャラリースペースでの、少なくとも5〜6カ月間の展示を想定した案である必要がある。
公募が締め切られた後は、5組のキュレーターまたはキュレトリアル・コレクティブが最終候補に選出され、審査員メンバーとの1対1のメンタリングや中国国内でリサーチツアーが実施されるほか、最終的な展覧会の案を練り上げるための費用として4000ドル(約60万円)の助成金が提供される。最終候補から選ばれた2組の最終受賞者は、展覧会制作および実施のために最大11万ドルの資金と、現場運営や展覧会のマーケティング、そして広報のための追加支援を受けながら、ヒョンデ・モーター・スタジオ北京で自らの展覧会を開催することができる。
本プライズに関する詳細情報や応募方法、資格要件については、公式ウェブサイトを参照のこと。