ARTnewsJAPAN

エド・ルシェ初期の「頂点」と評される作品がオークションに。予想落札価格は75億円

10月14日クリスティーズは、11月19日にニューヨークで開催されるイブニングセールで、エド・ルシェ(1937-)の代表作《Standard Station, Ten-Cent Western Being Torn in Half》(1964)が出品されることを発表した。予想落札価格は5000万ドル(約75億円)。

エド・ルシェ《Standard Station, Ten-Cent Western Being Torn in Half》(1964)Photo: Courtesy Christie's.

クリスティーズは、エド・ルシェの1964年の絵画《Standard Station, Ten-Cent Western Being Torn in Half》が、11月19日にニューヨークで開催されるイブニングセールに出品されることを発表した。予想落札価格は5000万ドル(約75億円)で、結果次第では2019年のクリスティーズで記録された、ルシェ作品の過去最高額である《Marble Shatters Drinking Glass》(1964)の5250万ドル(現在の為替で約78億円)を超えるかもしれない。

《Standard Station, Ten-Cent Western Being Torn in Half》は初期に制作され、彼の作品の中でも重要なものの1つに数えられている。ルシェは家族を訪ねての全米横断旅行中に、ありふれたガソリンスタンドを写真に収めた後、1964年にその写真を題材に絵を描き始めた。最初の作品を完成させた後、彼は「あのガソリンスタンドを描いて、自分の考え方が前進したように感じた」と語り、「何かを成し遂げたような気がした」と付け加えた。クリスティーズの20世紀および21世紀美術部門副会長であるマックス・カーターは、この作品をルシェの初期の「頂点」と表現している。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、《Standard Station, Ten-Cent Western Being Torn in Half》の出品者は、テキサス在住の石油王の相続人で投資家のシド・R・バスだという。バスはもともとガソリンスタンドを描いた同シリーズの夜のバージョンを持っていたが、ある所有者との交換という形で、今回出品される昼の風景の作品を入手したという。1960年代に制作されたルシェの大作で、個人所有されている最後の作品とも言われている。

同じく1960年代のルシェの作品《Marble Shatters Drinking Glass》(1968)も、11月にクリスティーズでオークションにかけられる。作品の所有者は、2006年に亡くなった音楽プロデューサーのアフメット・エルテグンの妻で、ニューヨーク在住のコレクターであるミカ・エルテグン。彼女は2023年12月に死去し、そのコレクションが出品されることとなった。予想落札価格は公表されていない。(翻訳:編集部)

from ARTnews 

あわせて読みたい