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ポンペイ遺跡で官能的な愛の場面を描いたフレスコ画が出土。「極めて高度なレベルの装飾」

紀元79年にヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれたポンペイから、新たなフレスコ画が見つかった。そこには、ギリシャ神話に登場する精霊サテュロスがニンフとベッドで愛を交わす場面が描かれている。

ポンペイで出土した住居から新たに見つかったフレスコ画の1つ。Photo: Courtesy Pompeii Archaeological Park

10月24日、ポンペイ考古学公園は「非常に洗練された装飾」を持つ住居が、ポンペイ遺跡で発見されたと発表した。この住居は従来見つかっているものより小ぶりなもので、最近はこのタイプの家屋がよく出土している。

紀元1世紀に建てられたこの住居の装飾には官能的なシーンが描かれたものもある。古代ローマ時代の遺跡からこうした絵が見つかるのは珍しくないが、同考古学公園によれば今回のものは「壁の装飾が際立って高いレベルにある」という。

装飾の1つには、ギリシャ神話に登場するクレタ島王ミノスの娘、ファイドラが描かれている。王女ファイドラは継子であるヒッポリュトスに求愛したが、ヒッポリュトスが誘いを拒んだため、これを恨んで彼を讒訴した。また、ヴィーナスとアドニスの絵も見つかっているが、これも報われぬ恋の物語だ。

この住居に考古学者たちが注目している理由は、官能的なフレスコ画だけではなく、その建築様式にもある。ポンペイでは一般的に、中庭を囲むように住居が建てられていたが、ここではその形式が取られていない。

古代ローマでは中庭にインプルビウムと呼ばれる一段低い場所があり、そこで雨水を集めていた。しかしこの小ぶりな住居では、代わりに水路を通して貯水槽に導く方法で雨水を集めていたことが確認されている。

この住居からは、ほかにも当時の香炉やランプなどが発掘された。(翻訳:石井佳子)

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