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伝説のNBA選手の銅像が「似てない」と大炎上。「スポーツ史上最悪の像」の声も

NBAの伝説的選手、ドウェイン・ウェイドを称えた銅像が10月27日にアメリカの屋内競技場前で披露されたが「あまりにも本人に似ていない」という意見が続出。ウェイド本人は像を擁護している。

マイアミのカセヤ・センター前に設置されたドウェイン・ウェイド像。Photo: Carmen Mandato/Getty Images

元NBAのマイアミ・ヒート選手ドウェイン・ウェイドは、3度のNBAチャンピオンに輝いた「伝説の選手」として知られている。ウェイドは2019年に引退したが、その功績を称えた銅像が10月27日、マイアミの屋内競技場、カセヤ・センター前にお披露目された。

銅像は全長1メートル50センチで、2009年3月のシカゴ・ブルズ戦の終了間際、延長戦のダブルオーバータイムのブザーと同時にシュートを決めた後、コートサイドのテーブルに飛び乗り、「ここが俺の家だ」と叫んだ場面が象られている。だが像が発表されるやいなや、「あまりにもウェイドに似ていない」という意見が相次いだ。ソーシャルメディアでは世界的にトレンドとなり、全米ニュースでも取り上げられた。

この銅像について、元NBA選手のチャールズ・バークレー、そして『アトランティック』誌のスタッフライター、ロス・アンダーセンは「スポーツ史上最悪の像」と呼んだ

だがウェイドは10月28日、彼がヒートでのデビュー21周年を記念日して開催されたマイアミ対デトロイトの試合のハーフタイムのセレモニーで観衆に向かい、その銅像は自分たちにも捧げられたものだと語った。また、ウェイドは、銅像は人間の体を表現したものではないとし、それを「最高の芸術作品」と呼んで作品を擁護し続けた。AP通信には、「もし私そっくりなのが良いなら、アリーナの外に立っているから、みんな写真を撮ればいい」と語った。そして、「私らしく見える必要はないのです。像は私たちに起こった瞬間を芸術に昇華したものですから」と付け加えた。

銅像を制作したのはオムリ・アムラニーとオスカー・レオンという2人のアーティストだ。レオンはNBC South Floridaの取材に応じ、この像のコンセプトは、ウェイドの写真のコレクションを粘土モデルに変えることから始まったと語った。シカゴのスタジオ・ロットブラット・アムラニーでは、16時間を費やしてウェイドと過ごしたという。ウェイドは何度も足を運び、彫像の制作にアーティストたちと密接に関わった。彫刻制作で費やした時間はトータルで800時間以上にのぼるという。「批判する人たちには、理解してもらわなければならないことがたくさんあります」とレオンは話す。

それについてもウェイドは、「私は像を持っている人を知らない。君は知っているか?ここにいる人たちで像の制作プロセスについて何か知っている人はいるか?誰も知らないだろう。信じられないような、複雑なプロセスなんだ」と擁護した。(翻訳:編集部)

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