ホー・ツーニェンが2026年光州ビエンナーレの芸術監督に就任。「ともに形成する変化を提案したい」
光州ビエンナーレの2026年版の芸術監督にホー・ツーニェンが就任したことが発表された。これまで名だたるキュレーターが務めてきたポジションにアーティストが就くのはホーが初。

2026年9月に開催される光州ビエンナーレの芸術監督に、アーティストのホー・ツーニェンが就任した。
ホーは2019年のアジア・アート・ビエンナーレの企画を手がけた実績があるが、光州ビエンナーレが芸術監督にアーティストを指名したのは今回が初めて。これまで同芸術祭は、ヴェネチア・ビエンナーレの芸術監督も務めたナイジェリア出身のオクウィ・エンヴェゾーや『関係性の美学』で知られるニコラ・ブリオー、数々の国際美術展や芸術祭を手がけてきたホウ・ハンル、オランダのファン・アッベ美術館ディレクターを務めるチャールズ・エッシュ、ドクメンタとヴェネチア・ビエンナーレの両方を初めて手がけた「20世紀を代表するキュレーター」の一人であるハラルド・ゼーマンなど、錚々たる面々を芸術監督に据えてきた。
2026年版の光州ビエンナーレのテーマはまだ明かされていないが、同ビエンナーレによれば「芸術が変化をもたらす力」に焦点を当てるといい、プレスリリースにはこう記されている。
「ホーのキュレーションは、不安定な世界において必要とされる原動力を与えるもので、光州ビエンナーレに新たな風を吹き込んでくれることを期待しています」
アジア大陸の変容を過去、現在、未来の視点から探求した作品で知られるホーは、現在、香港映画に着想を得てノスタルジーをテーマに制作した《Night Charades》をM+で展示中。本作は今後、世界各国を巡回するという。ホーは今回の発表に際して次のようなコメントを出している。
「アーティストとしてではなく芸術監督として光州ビエンナーレに参加することができ、この素晴らしい街で新たな挑戦を始められることは、まるで夢のようです。2026年のビエンナーレでは、この20年のあいだ私を刺激し、後押ししてくれたエネルギーや課題、実践、アイデアを結びつけることができればと考えています。芸術的変革の実践が、光州の民主的変革の遺産とどのように共鳴するかを探求する、よい機会となるでしょう。このビエンナーレは、1つのメッセージを伝えるのではなく、私たちが共有しかたちづくる変化を提案することを目指しています」(翻訳:編集部)
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