ARTnewsJAPAN

ルイ・ヴィトンが2023年秋冬パリコレでフランス人アーティスト、フィリップ・パレーノとコラボ! テーマは「移動遊園地」

10月4日(現地時間)、ルイ・ヴィトンの2023年秋冬コレクションがパリで発表された。このランウェイショーのデザインを手掛けたのは、大規模なインスタレーションで知られるフランス人アーティスト、フィリップ・パレノだ。

Photo by Victor VIRGILE/Gamma-Rapho via Getty Images

これまでもさまざまなアーティストを起用してきたルイ・ヴィトンが、2023年秋冬コレクションのセットデザイナーとして白羽の矢を立てたのは、フランス人アーティストのフィリップ・パレノ。パレノは、米国のプロダクションデザイナー、ジェームズ・チンランドとルイ・ヴィトンのウィメンズ・アーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエールの協力のもと、パリ・ルーブル美術館の中庭に、赤いナイロン布のパネルでできた高さ27メートル以上にもなる巨大な花のようなインスタレーションを出現させた。

サーカスから着想を得たと語るパレノは、キングコングのようなモンスターを大衆の見世物にする古典的なホラー作品も参考にしたという。

『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューで、「赤いカーテンと鏡でメリーゴーランドのような雰囲気をつくり出した」と話したパレノの言葉通り、ショーではこのステージ上を、巨大なジッパーがあしらわれた最新コレクションを身にまとったモデルたちがぐるぐると歩くという演出がなされた。ステージ全体を覆う点滅する電球は、パレノの過去の作品、例えば2015年にニューヨークのパーク・アヴェニュー・アーモリーで展示された27点の作品にも用いられたモチーフだ。

ジェスキエールは、この「移動遊園地」というパレノのコンセプトについて、パリのような主要都市に世界中から大勢の観客が集まるファッションウィークの遊牧民的な性質を如実に表していると絶賛した。

今季のパリコレでは、ルイ・ヴィトンとパレノの組み合わせ以外にも、いくつかのメゾンがアーティストとのコラボレーションによるショーを発表している。イェ(カニエ・ウエストから改名)がモデルを務めたバレンシアガは、物議を醸すパフォーマンス作品で知られるスペイン人アーティストのサンティアゴ・シエラを起用。シエラはショーのために、泥まみれのランウェイをデザインした。またポンピドゥー・センターで行われたステラ・マッカートニーのショーでは、カラーブロックを組み合わせた奈良美智によるセットデザインが話題となった。(翻訳:編集部)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年10月5日に掲載されました。元記事はこちら

あわせて読みたい