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エリザベス女王の新たな像がついにお披露目。女王崩御の1カ月前に完成

設置場所を巡り議論が勃発していた故エリザベス2世の新しい像が、国王チャールズ3世によって除幕された。

ヨーク大聖堂に設置された、故エリザベス女王の新たな像を除幕するチャールズ国王。Photo: DANNY LAWSON - WPA POOL/GETTY IMAGES

ガーター勲章のローブを身にまとったエリザベス女王の像は、フランス製の石灰岩でつくられ、重さ1.1トン、高さ7フィート(約2.13メートル)にもなる。議論の末、850年の歴史を持つヨーク大聖堂の西側正面入り口の上に設置された。

手がけたのは、制作権をかけたコンテストで見事勝利を掴んだ石工のリチャード・ボッソンズ。これまで11年間に渡りヨーク大聖堂でガーゴイルの彫刻を主に担当してきたが、肖像彫刻は今回が初めてという。3トンもの石灰岩の塊を機械で切断し、ノミで仕上げた。

ボッソンズはこの女王像について、「 女王と国王、そして大聖堂に貢献できたことを祈っています。また、自分の力の限りを尽くした作品が、皆さんに受け入れられることを願っています」と語った。

この像はそもそも、女王の白寿記念を意図して5年前に依頼されたものだったが、完成したのは、女王の崩御の1カ月前である8月だった。ボッサムズは、「70年以上にもわたる治世の長さを表現したかった」と続けた。

除幕式でチャールズ国王は、「女王は生前、常に国民の福祉に気を配っていた 」と振り返り、この像を 「並外れた生涯の奉仕と献身に対する賛辞」と称えた。

最終的にこの石像は、ヨーク市の新しい公共空間として計画されているクイーン・エリザベス・スクエアを見下ろすように設置される予定だ。(翻訳:貝谷若菜)

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