追悼:エリザベス2世 女王陛下のアートコレクション。ミケランジェロやレンブラントなど貴重な作品を紹介
英国のエリザベス女王が9月8日に96歳で逝去し、世界から追悼の声が相次いだ。コーギー犬や馬を愛し、大馬主としても知られるエリザベス女王はまた、世界最大級のアートコレクションの所有者でもあった。貴重な美術品の一部を紹介する。
英国史上、最も長く君主を務めたエリザベス女王。70年にわたる在位期間中、第2次世界大戦による社会の疲弊、欧州連合からの脱退、最近ではコロナ危機といった数々の苦境の中で英国民を導いてきた。英国を象徴する存在であるだけではなく、不確実な時代の信頼されるリーダーだった。
そのエリザベス女王も歴代の国王と同様、重要な美術品を大規模なコレクションに加えている。英国王室は、ロイヤル・コレクション・トラストと呼ばれる世界最大級の美術コレクションを所有。実に100万点を超える作品は、十数カ所の王宮に分けて管理され、その一部は一般公開されている。
2013年には、バッキンガム宮殿のクイーンズギャラリーで「In Fine Style: The Art of Tudor and Stuart Fashion(洗練されたスタイル:肖像画に見るチューダー朝・スチュアート朝のファッション)」展が開催され、話題を呼んだ。同展では60点の著名な絵画と、この時代の王族や廷臣が着用した衣服を展示。ARTnewsは、展覧会のレビューを2013年10月30日に公開 している。
改めてエリザベス女王の逝去を悼み、ロイヤル・コレクション・トラストの代表的な美術品を紹介する。(翻訳:清水玲奈)
アルテミジア・ジェンティレスキ《An Allegory of Peace and the Arts(平和と芸術の寓意画)》(1635-38)
ピーテル・ブリューゲル(父)《Massacre of the Innocents(ベツレヘムの嬰児虐殺)》(1565-67)
ミケランジェロ・ブオナローティ《Archers shooting at a herm(ヘルメスの柱像に向かって矢を射る撃つ射手たち)》(1530頃)
レンブラント・ファン・レイン《Christ and St Mary Magdalen at the Tomb(墓のキリストとマグダラの聖マリア)》(1638)
ニコラ・プッサン《Triumph of Pan(パンの勝利)》(1635頃)
ヨーハン・ゾファニー《Tribuna of the Uffizi(ウフィツィのトリブーナ)》(1772-77)
レオナルド・ダ・ヴィンチ《Superficial anatomy of the shoulder and neck(肩と首の表層解剖図)》(表)(1510-11頃)
レンブラント・ファン・レイン《The Shipbuilder and his Wife(船大工とその妻)》(1633)
※本記事は、米国版ARTnewsに2022年9月8日に掲載されました。元記事はこちら。