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まるで映画! コロラド州で盗まれた約5200万円相当の美術品が薬物や銃とともに発見される

コロラド州レイクウッドのホテルの一室で、40万ドル以上の美術品5点が、銃、電子機器、麻薬とともに回収された。

コロラド州ボルダー市警察が、レイクウッドのホテルで銃や麻薬とともに盗まれた美術品を回収した。Photo: courtesy boulder police department

美術品は12月14日夜、運搬中に施錠されたトラックから盗まれた。運搬の担当者がホテルに滞在している間に、トラックの南京錠が切られていたのだ。

コロラド州ボルダー市警察は、先週土曜日(12月7日)の夜、盗まれた美術品の行方を突き止めた。レイクウッド警察の協力のもと、ホテルの部屋を捜索し、31歳のブランドン・カマチョ=レヴィンを容疑者として逮捕した。

約2,000錠のフェンタニルと23グラムのメタンフェタミンを含む他の盗品とともに、美術品は無傷のまま取り戻された。回収された作品の中には、抽象表現主義の画家エレイン・デ・クーニングの《無題(マドリッドシリーズ#3)》と、ジェーン・フレイリチャーが農場の風景を描いた《バーネットの納屋》が含まれており、これらの作品は、コロラド州デンバーの南に位置するエングルウッドに運ばれるはずだった。また、ジョセフ・ヘンリー・シャープの《タオス・プエブロの眺め》、E. アービング・カウスの《夜のタオス・プエブロ》、アーネスト・マーティン・ヘニングスの《ラグーナ・プエブロ》は、ロサンゼルスのオークションハウス、ボナムスで最近購入されたものであり、ニューメキシコ州サンタフェに向かう途中だった。

逮捕報告書によると、警察に通報した人物は、カマチョ=レヴィン容疑者から作品を6,000ドルで購入するよう提案されていたという。作品の所有者のアートアドバイザーであるコリーン・ファニングは、チャンネル9ニュースに対し、「激怒しました。ショックを受け、愕然とし、このようなことが起こるなんて思いもよりませんでした」と述べている。

フォーブスの報道によると、カマチョ=レヴィン容疑者は、昨年7月にも自動車窃盗で逮捕されている。また、拘留中に体調を崩し、ローズ・メディカル・センターに搬送されたが、警官に暴行を加えて逃走した。

カマチョ=レヴィン容疑者は、薬物の配布と製造、重窃盗罪、第一級車両不法侵入、有罪判決を受けた重罪犯による武器所持の罪に問われている。

マリス・ヘロルド警察署長はプレスリリースで、「我々は美術作品を無傷で回収しただけでなく、地域社会を苦しめ、命に関わる薬物を路上から取り除いた」と述べている。(翻訳:権名津美侑 )

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