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ブルーダイヤが4800万ドルでオークションに、デューラーの新発見は推定1000万ドル~2月のオークション情報まとめ

ARTnewsが2月に報じたオークション情報をまとめてお届けする。4月にサザビーズが15カラットのブルーダイヤを4800万ドルで売りに出すほか、5月には不動産王マックローのコレクションからロスコ、ウォーホル、リヒターなどをオークションにかける。クリスティーズは5月にゴッホ、バスキア、マン・レイを、それぞれオークションに出す。アグニューズ(ロンドン)は30ドルで買われた絵がデューラーの真作だったと鑑定、1000万ドルの価値があると見積もっている。

15カラットのブルーダイヤ、4800万ドルでサザビーズ香港にかかる

15カラットもの大きさの、稀少なブルーダイヤモンドが4月、サザビーズ香港でオークションに掛けられる。落札予想価格は4800万ドル。南アフリカの鉱山で昨年掘り出された計39カラットの原石から削り出されたものだ。現在、ニューヨークのサザビーズギャラリーで展示中で、この後、ロンドン、ドバイ、シンガポール、上海、北京、深圳、台北を巡回して、香港に渡る予定という。

ブルーダイヤのオークション記録は、2015年にサザビーズで売られた「ジョセフィンのブルームーン」の4850万ドルだ。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月17日に掲載されました。元記事はこちら

ロスコ、ウォーホル、リヒターが5月に登場、マックロー夫妻コレクション

不動産王マックロー夫妻のコレクションのセール第2弾が5月、サザビーズ・ニューヨークで開かれる。ロスコの絵画《Untitled》(無題、1960年)は未公開作品で、落札予想価格が3500万~5000万ドル。今春のセール中の最高値をつけると予測されている。ウォーホルの《Vanitas: Skulls and Self Portraits by Andy Warhol》(空虚:アンディ・ウォーホルによる頭蓋骨と自画像、1962年)は同1500万~2000万ドル、リヒターの《Seascape》(海景、1975年)は同2500~3500万ドル、ジャコメッティの彫刻(1968年)は同700万~800万ドルと見積もられている。ほかに、ジェフ・クーンズ、アグネス・マーティン、ウィレム・デ・クーニング、シグマー・ポルケ、マーク・グロッチャン、ジャン・デュビュッフェらの作品もオークションに登場する。

マックロー夫妻の離婚に伴う売却で、昨年11月の第一弾は落札予想を上回り、今回も見積もりを上回ると期待されている。夫妻は1950年代に収集を始め、150以上の作品を所蔵。2018年の離婚裁判で、財産分与のために65点の作品の売却が命じられていた。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月18日に掲載されました。元記事はこちら

バスキアが5月、NYのクリスティーズに登場

バスキアの三連の祭壇画《Portrait of the Artist as a Young Derelict》(若き遺棄者としてのアーティストの肖像、1982年)が5月、クリスティーズ・NYのイブニングセールに登場する。幅約7フィート(2メートル強)で、最低入札価格は3000万ドル。この作品は27年間、個人のコレクションにあった。今回、クリスティーズはもう一つのバスキア、キース・ヘリングが1990年に亡くなるまで所有していた作品《SeePlate 3》(プレート3を参照、1982年)も販売する。こちらの落札想定価格は400万~600万ドルと見積もられている。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月24日に掲載されました。元記事はこちら

マン・レイの写真、過去最高額で落札見込み

マン・レイの著名な写真《Le Violon d'Ingres》(1924)が5月、クリスティーズ・ニューヨークのオークションに掛けられる。予想落札価格は500~700万ドル。マン・レイだけでなく写真作品のオークション記録を塗り替えるかもしれない。女性のヌードにバイオリンのf字孔を重ねたこの作品は、持ち主であるジェイコブズ夫妻が、マン・レイ本人から1962年に直接購入した。メイシーズの幹部だったロザリンド・ジェイコブズは2019年に他界し、遺産執行者である娘が出品する。このほかヴィヤ・セルミンス、ルネ・マグリット、ウィリアム・N・コプリーなどを含むジェイコブズ・コレクションは、オークションを前に、ロンドン、パリ、香港を回る。

オークションでの記録は、マン・レイの作品は2017年に300万ドルで落札されたのが最高額、写真ではアンドレアス・グルスキーの作品が2011年につけた430万ドルが史上最高落札額だ。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月15日に掲載されました。元記事はこちら

ゴッホ療養中の絵、4500万ドルで5月に登場

ゴッホが南フランスでの療養中に描いた《Fields near the Alpilles》 (アルピーユ近くの草原、1889年)が5月11日、クリスティーズ・NYのイブニングセールで販売される。落札予想価格は4500万ドル。これは、ゴッホが、アルル滞在中に親しくなった郵便配達員に贈った作品の一つ。その後、デザイナーのイブ・サンローランとパートナーが一時期、所有していた。ゴッホが耳を切り落とした事件の療養後に、再び絵筆を取った時期に描かれ、同時期の作品はクレラーミュラー美術館が所蔵している。オークションを前に、ロンドン、台北、香港、ニューヨークで巡回展示される。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月25日に掲載されました。元記事はこちら

わずか30ドルの絵が1000万ドルに大化け?

5年前にわずか30ドルで買った「聖母子像」が、なんとアルブレヒト・デューラーの真作で1000万ドルの価値があることが分かった。ロンドンのオークション会社「アグニューズ・ギャラリー」によると、この絵は、米・マサチューセッツ州の男性が2017年に遺品整理で購入した。専門家らの調査で1503年頃に制作された真作と判明し、現在はNYのギャラリーで展示中だ。

※この記事は、米国版ARTnewsに2022年2月1日に掲載されました。元記事はこちら

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