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マドンナ、ビープルとのコラボNFTを発表。過激な“出産 ”映像に注目が集まる

歌手のマドンナとデジタルアーティストのビープルが、コラボレーションによるNFTアート3部作を発表。「Mother of Creation(創造の母)」と題されたこのシリーズでは、全裸のマドンナが“出産“する様子が描かれている。

ビープル《Mother of Nature(自然の母)》(2021) SuperRare

3作品のタイトルは、《Mother of Nature(自然の母)》、《Mother of Evolution(進化の母)》、《Mother of Technology(テクノロジーの母)》で、いずれもマドンナの体を3Dスキャンして生成された過激な映像だ。

 《Mother of Nature》では、実験室でマドンナが女性器から木を産み落とす様子が描かれる。また、《Mother of Evolution》では崩壊しつつあるディストピアの都市で蝶の群れを、《Mother of Technology》では緑豊かな庭で機械のようなムカデを産む。映像では女性器が緻密に描かれている一方で体や顔が人形のようなのは、やや滑稽である。作品の特設サイトはこちら

 ノースカロライナ州を拠点にグラフィックデザイナーとしても活動するビープル(本名マイク・ウィンケルマン)は、2007年5月から1日1枚ずつ描き続けているデジタルドローイング集「Everydays(エブリデイズ)」シリーズで知られる。

 そのうち、最初の5000枚のドローイングは、NFTアート作品《Everydays: The First 5,000 Days(エブリデイズ:最初の5000日)》として、21年にクリスティーズのオークションで落札価格6930万ドルを記録。無名だったビープルに世界的な名声をもたらした。

 ビープルはこれまで、オープンシー(OpenSea)やクリスティーズで作品を販売してきたが、今回の3部作では新たにNFTプラットフォームのスーパーレア(SuperRare)と組み、5月11日~13日にオークションが行われた。

 収益金は、ウクライナの女性と子どものための慈善団体、ザ・ボイセズ・オブ・チルドレン財団(The Voices of Children Foundation)、コンゴ民主共和国東部の女性のためのリーダーシッププログラム、ザ・シティ・オブ・ジョイ(The City of Joy)、保釈金が払えないために服役している黒人女性を救済する基金、ブラック・ママズ・ベイル・アウト(Black Mama's Bail Out)の3団体に贈られる。

 マドンナは、プレスリリースで次のように述べている。「1年前にマイクとの共同制作プロジェクトを決めた時、母親であり、アーティストでもある自分の世界観を、マイクの視点を通して発表できることがとてもうれしかった。女性器から子どもがこの世に誕生し、アーティストが作品を産み出す。それらの創造という概念を掘り下げたいと考えた」(翻訳:清水玲奈)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年5月10日に掲載されました。元記事はこちら

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