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「これは、巨大な“男根”である」 アントニー・ゴームリーの彫刻設置計画にロンドン名門大の学生が抗議

  • 2022年8月12日
  • INTERNATIONAL

Text: Shanti Escalante-De Mattei

英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンの学生たちが、ある彫刻作品に批判の声を上げている。サウス・ケンジントン・キャンパスの改修整備に伴い設置される予定のアントニー・ゴームリーの彫刻が、「男根」を思わせるというのがその理由だ。

インペリアル・カレッジ・ロンドンの学生組合が問題視したアントニー・ゴームリーの彫刻の図 Imperial College Student Union

《ALERT(アラート)》と題されたこの彫刻は、しゃがんだ人物を抽象的に表現したものだという。しかし学生たちは、この像がペニスを勃起させた男性のように見えると主張している。

「芸術的な意図がどうであるかは別として、《ALERT》は多くの人に“男根”だと解釈されています」。学生組合は、礼儀正しい文面の申立書の中でこう書いている。「芸術作品で男根を表現すること自体に問題があるわけではありません。しかし、この像の一部分を男根と解釈した場合、像の大きさを考えると、多くの人の目に触れる公共の場所に置くのは不適切ではないかと思われます」

今夏設置予定の《ALERT》の高さは6メートル。曲げた脚、あるいはペニスとも解釈される突き出た部分の長さは約3メートルある。


《ALERT》の設置イメージ 画像引用元:https://www.imperial.ac.uk/stories/south-kensington-campus-evolution/

この像は、図書館と化学棟に面した場所に新たに整備されたダングール広場を飾ることになっている。しかし、設置場所が理系学生の行き交う広場であることが、学生組合の不評を買った。インペリアル・カレッジ・ロンドンでも、世間一般でも、理系分野における「男女比率や包摂性の課題」がある中で、こうした彫刻を計画するのは無神経だとみなされたのだ。

アートニュースペーパーもこの件を報じる記事の中で、同校のジェンダー・バランスが男性に偏っていることを指摘。大学が公開しているデータを引きながら、2020〜21年の学生のうち女性は39パーセントにとどまると書いている。

学生たちの抗議に先立って出された声明で、ゴームリーは彫刻についてこう述べていた。「人体を建築的な造形に変換しながら、身体と空間の関係を再考したい。つま先でバランスを取りながら腰を浮かせてしゃがみ、周囲を見渡すこの彫刻は、活力や機敏さ、覚醒を表している」

ARTnewsは、学生組合の申し立てに対するコメントをゴームリーに求めている。(翻訳:野澤朋代)

8月9日現在、彫刻の設置は予定通りに進行中である

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年8月3日に掲載されました。元記事はこちら

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