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展示作品に害虫が這い回る! イランの美術館が大騒動で一時休館

  • 2022年8月29日
  • INTERNATIONAL

Text: Alex Greenberger

8月半ば、イランのテヘラン現代美術館で展示中の作品の上を害虫が這い回る動画が拡散され、美術館は燻蒸(くんじょう)による駆除のために一時休館を余儀なくされた。同美術館は中東有数の西洋美術コレクションを所蔵しているが、1979年のイラン革命以降、そのほとんどが保管庫にしまわれたままになっていた。

テヘラン現代美術館 Photo Atta Kenare/AFP via Getty Images

8月17日、BBCニュースのペルシャ語放送が、展示作品に2匹のセイヨウシミ(西洋紙魚)がいる様子を動画で投稿。撮影されたのは、60年代〜70年代のコンセプチュアリズムの中心的アーティスト、ベルント&ヒラ・ベッヒャーの写真作品だ。動画は100万回を超える再生回数を記録している。


作品にたかるセイヨウシミ。BBCニュースのインスタグラム動画より。画像引用元:https://www.instagram.com/p/ChPw02yt7k5/?utm_source=ig_embed&ig_rid=f5c9378e-d4e2-40ed-91ad-f8f8ac7948b2


そのため、テヘラン現代美術館は一時的に休館し、館内の燻蒸を行った。また、フェイスブックに投稿した声明で、害虫が発見されたことを謝罪するとともに、ベッヒャーの作品に被害はなかったと伝えている。館内の他の作品にも害虫は発見されなかったという。

さらに、昆虫学と歴史的遺物の専門家グループによる共同声明も発表された。その中では、「絵画の状態を見る限り、また、作品を調べた美術館スタッフからこれまで損傷の報告がないことから、害虫は館内の別の場所からきたものと思われる」と説明されている。

セイヨウシミが発見された写真作品は、ミニマリズムとコンセプチュアリズムをテーマにした展覧会で展示されていた。ドナルド・ジャッドやソル・ルウィットの傑作など、所蔵作品130点を集めたものだが、その中には長い間、人の目に触れていなかった作品も多い。

AP通信によると展覧会は好評で、6月の開幕以来、約1万7000人の来場者があったと報じられている。(翻訳:清水玲奈)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年8月18日に掲載されました。元記事はこちら

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