ビル・ゲイツの盟友ポール・アレンが遺したアートが、総額2000億円超で落札。個人コレクションでは史上最高額
11月9日、クリスティーズ・ニューヨークのイブニングセールで、マイクロソフトの共同創業者である故ポール・アレンが収集した作品のオークションが行われ、総額15億ドル(約2100億円)を売り上げた。中には、1億3800万ドル(約195億円)で落札されたポール・セザンヌの絵画も含まれる。
2018年に61歳で亡くなったポール・アレンは、アートコレクションに関して非常に思慮深かったことで知られている。
今回出品されたアレンのコレクションは60点。オークションは2部構成で、ブレット・ゴルヴィ、ドミニク・レヴィ、フィリップ・ホフマン、ラリー・ガゴシアンといった第一線のアートディーラーも参加した。手数料を含めてトータルで15億ドル(約2100億円)を売り上げたという。この結果は、2018年にクリスティーズで行われたデイヴィッド・ロックフェラーのコレクション売却の総額8億3500万ドルや、今年初めのサザビーズでのマックロウコレクション売却の9億2200万ドルを上回る、同一所有者の出品としては史上最高額となった。
今回出品された作品の中でも注目すべきは、セザンヌがフランス・アルク渓谷を描いた《サント=ヴィクトワール山》(1888-1890)。それまでの古典的な風景画のスタイルから離れて抽象化されるようになった時期に描かれており、アレンが20年以上もの間所蔵していた1億ドル前後の価値を持つ美術品のうちの1つだ。
資金保証付きで出品された《サント=ヴィクトワール山》 は、クリスティーズのヨーロッパ社長ユッシ・ピルカンネンと電話で参加した入札者に、予想落札価格と同じ1億2000万ドルで落札された。手数料を含めると1億3800万ドルになり、1999年5月、ジョン・ヘイ・ホイットニーが所蔵する静物画に匿名の入札者が6050万ドルで落札して以来、セザンヌ作品の落札価格記録を更新する結果となった。(翻訳:編集部)
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