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バンクシーの新作壁画を剥ぎ取った窃盗団を現行犯逮捕。ウクライナのキーウ州知事が発表

ウクライナの首都キーウ郊外のホストーメリで、バンクシーの描いた壁画を盗もうとした8人が逮捕された。英ガーディアン紙などが伝えている。

キーウ近郊のホストーメリで11月12日に見つかったバンクシーの新作。バンクシーは11日に、やはりキーウ近郊のボロジャンカで描いた複数の壁画をインスタグラムで発表している。アントノフ空港があるホストーメリやボロジャンカはロシアのウクライナ侵攻初期に激しい空爆や砲撃を受け、多くの建物が全壊した。Photo: Ed Ram/Getty Images

窃盗の容疑で逮捕された8人は、バンクシーの絵が描かれた壁の一部を剥ぎ取ったと伝えられている。そこには、バスローブ姿でヘアカーラーとガスマスクをつけ、消火器を手に持った人物が、ロシア軍に砲撃された建物の壁に描かれていた。

ほかにも柔道着の男を投げ飛ばす少年やバスタブで背中を流す髭面の男、体操選手など、11月にバンクシーがウクライナで制作した壁画は全部で7点ある。これらの絵は、バンクシーのインスタグラムアカウントで公開された

キーウ州のオレクシー・クレバ知事は、「窃盗団がロシア軍に破壊された家の壁からバンクシーの作品を切り取り、数人が現行犯逮捕された。作品の状態は良好で、当局が保管している」とメッセージアプリのテレグラムに投稿。それを英ガーディアン紙など複数のメディアが伝えた。

バンクシー作品は2019年にも盗難被害に遭っている。パリのバタクラン劇場の非常扉に描かれたもので、金属製の扉ごと持ち去られた。描かれていたのはベールを被った悲しげな少女で、15年に起きたパリ同時多発テロ事件で犠牲になった139人を追悼するため、18年に制作されたもの。このときも8人が逮捕され、窃盗罪で有罪判決を受けた。(翻訳:石井佳子)

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