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  • 2022.12.13

好みの合わないアートアドバイザーを円満解雇する方法は? 大暴落のNFT企業に未来はない?【認めたくない真実:アート業界のお悩み相談室】

読者から寄せられたアートに関するお悩みや質問に、ニューヨークを拠点とする敏腕アートコンサルタント、Chen & Lamper(チェン&ランパート)の2人が答える。今回は趣味が合わないアートアドバイザーを雇用中のアートコレクターと、転職先に暴落するNFT業界を選んでしまった人のお悩みだ。

Illustration: Barbara Kelley

質問1:趣味は合わないが人脈はすごいアートアドバイザーを円満解雇する方法を教えて。

私は不動産開発会社を営むアートコレクターです。パンデミックの直前に個人的なアートアドバイザーを雇ったものの、彼女が提案してくれる作品に納得がいきません。私に深く語りかけてくる作品ではなく、将来性も疑問です。9月に一緒にアーモリーショーに行きましたが、彼女が紹介してくれるもの全て、私の好みではありませんでした。しかし、アート業界の主要な人物にすぐにアクセスできる彼女の人脈には感服しました。私はアート界の政治事情が分からないため、彼女と契約を打ち切り新しいアドバイザーに替えたら、取り返しのつかないことになりますか? 

経営トップであるあなたは、計算ミスで予算が膨らんでしまった無能な見積もり担当者や、チームの女性に嫌がらせをし続けたプロジェクトマネージャーなど、これまで多くの部下を解雇してきたことでしょう。アドバイザーを対等、もしくは上司のように思っているのかもしれませんが、もし、いまだに社会的な序列構造の強固なアート界での彼女の人脈をあなたが高く評価していなければ、とっくに解雇しているはずです。アドバイザーの魔法にかかっているようですが、彼女の腕前を証明しているのは、リサイクルショップに出すこともできない、醜いポスト・タレントアートの数々だけです。 

あなたは企業を組織し運営していく能力はあるのに、なぜ自分の芸術的センスを信じることができないのでしょう? アート市場を予測するのは簡単ではありませんが、「自分の好きなもの」を知るのはそれほど難解ではないはずです。例えば、レストランでメニューを見ずに料理を注文する人はいないように、あなたはアドバイザーと会話をする必要があります。作品購入を断ることでパーティを台無しにするのが怖いのかもしれないし、もしくは単に2人のノリが合わないのかもしれません。しかし、強引なセールスを避け、この関係を正す最善の方法は、彼女があなたの望みを知っているかどうかを確認すること。あなたにとってアート購入は単なる投資ではないということですが、それと同時に、自分の心に対する投資でもあるはずです。 

この結果は、あなた自身が自分の好みときちんと向き合えていないことが原因かもしれません。となると、アドバイザーを替えても同じ結果を招くだけの可能性もあります。きついことを言うようですが、あなたは歩く小切手帳であり、アドバイザーは手数料を収集するブローカーであることを忘れてはいけません。アーティストから作品を直接購入するならアドバイザーを必要とすることはないかもしれませんが、彼女との関係を断つ最大のデメリットは、美術界という狭いシャーレの中でシュノーケリングを続けることです。彼女が流す噂に苦しめられるかもしれませんが、市議会議員を買収して強大なエゴを持つ建築家の欲望を満足させれば、バトルロワイヤルの準備は万端になるでしょう。 

質問2:NFT企業に転職した途端、NFT市場は大暴落。どうすればいい?

昨年のNFTフィーバーの中で、私は堅い仕事を辞めてNFTプラットフォームに転職しました。テックやアートは私の専門分野なので、ぴったりな仕事だと思ったからです。多くの友人が私のことをクレイジーだと言いましたが、人生は一度きりなので飛び込むことにしました。しかし、間もなくNFT市場は大暴落しました。給料も仮想通貨で支払われているため、今は事実上、何の価値も持ちません。私は以前の仕事を取り戻せるでしょうか? 

どうやらあなたは、自分自身のカビ臭さについて謙虚に学んだようですね。未知の世界に果敢に挑戦したあなたを尊敬するものの、NFT人気に便乗したのは大間違いだったと言わざるを得ません。以前はビッグマックだったかもしれませんが、あなたは今や、ただのファドラック(米国の経営破綻したハンバーガーチェーン)。以前の職場に戻れることはないと思いますが、あなたの技術力を考えると、ウェブカメラは検討する価値のある成長分野かもしれません。ウェブカメラに興味がないという場合は、ギーク・スクワッド(家電量販店ベスト・バイに買収されたパソコンサポートサービス)がテクノロジー・キュレーターを募集しているようなので、調べてみるといいでしょう。(翻訳:編集部)

* このコーナーへ相談したい人は、以下のメールアドレスまでご連絡を(英語のみ)。 
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