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  • 2023.02.08

仏住居からブリューゲルの息子の作品を発見。3月のオークションに出品

17世紀フランドル地方の画家、ピーテル・ブリューゲル(子)の絵画がフランスの住居で発見され、来月オークションにかけられることになった。

ピーテル・ブリューゲル(子)《村の法律家》(1615-17頃)Photo: Courtesy Hotel Drouot

ピーテル・ブリューゲル(子)、(1565頃-1636)は、著名な画家であったピーテル・ブリューゲルの長男であり、父の作品の模写や、農民の生活や風刺画を描いていた。

この作品は、農民が弁護士の依頼を受けるため、列をなして待つ賑やかな光景を描いたもので、1615年から1617年の間に制作された。2022年10月、フランスの住居で財産調査をしていたところ発見された。

所有者は、この絵が100年前から一族の間で受け継がれてきたにもかかわらず、ブリューゲル(子)の作品であることを知らなかったと、アート・ニュースペーパ紙は報じている。所有者の身元や所在地は明らかにされていない。

この作品は、3月28日にパリのオークションハウス、オテル・ドゥルオーで開催されるオークションに出品され、60万ユーロから80万ユーロ(約8千万円~1億1千万円)で落札されると予想されている。これは、ブリューゲルが2011年にクリスティーズで記録した最高額、1000万ユーロ(約15億円)には程遠い額である。

この絵はパリの業者ターカンで鑑定され、研究のためにドイツに送られた。2022年12月にフランドル地方のオールドマスター専門家であるKlaus Ertzが真作かどうか確認している。

今回のオークションのカタログによると、 Ertzは、ブリューゲル(子)はこの作品と同じ題材のものをほかにも制作しており、スペインの支配下にあった当時のオランダを風刺していると推測している。また、フランスの画家ニコラ・ボーレリからの影響も指摘している。(翻訳:編集部)

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