「比類なき発見」──4世紀初頭の黄金のガラス細工がローマの地下鉄工事現場から見つかる
先週、ローマ市内の地下鉄C線の発掘作業中に、古代ローマ時代の黄金のガラス工芸品が発見された。当時ローマ市の象徴とされた女神「ローマ」をかたどっており、黄金で表現されたガラス製のものはこれだけである。
ガラスには、兜と鎧を身につけ、槍を持ったローマの横顔が描かれている。
ローマ特別監督局の考古学者、シモーナ・モレッタは、イタリアの通信社Agenzia Nazionale Stampa Associataのインタビューで、「黄金のガラスは非常に珍しい発見だが、これは比べ物にならない。その出来栄えは 極めて洗練されています」と話している。
このガラスは本来、コップの底の装飾品で、それを見ながら飲めるようにしたものだろう。そして、贈答品だったと推測される。
「大切なものだから、壊れたり傷ついたりしても捨てられなかったと思います」とモレッタは説明する。「しかし、ガラスのコップは修理ができないことから、底を切り落とし、家具の上に飾ったり、壁にかけたりしていたのかもしれません」
このガラスが発見された発掘調査では、3世紀中頃に放棄された軍事施設が見つかった。廃墟となった後、壁が切り取られ、瓦礫や土砂が残された。しかし、専門家の間では、黄金のガラスはこの施設にあったものではなく、4世紀初めのものであると考えられている。
この黄金のガラスは、2024年にオープン予定のポルタ・メトロニア駅の博物館に展示される予定である。(翻訳:編集部)
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