ストーンヘンジより2000年も前の木彫りが「完璧な状態」で出土。イギリス最古の木彫作品か
イギリス・バークシャー州、ボックスフォードの建設現場で、基礎工事中の作業員が6000年以上前の木の彫刻を見つけたと、イギリスの歴史的建造物などを保護する公的機関、ヒストリック・イングランドが6月7日に発表した。
今回見つかった彫刻はオーク材で、長さ約3フィート(約91センチ)、幅約1.5フィート(約45センチ)、厚さ約1.5インチ(約4センチ)。地中の泥炭層に埋まっていたため、完璧な状態で保存されていた。
彫刻は、ヒストリック・イングランドの専門家とノッティンガムの年輪年代測定研究所、フローニンゲン大学の同位体研究センターの科学者によるチームで分析が行われた。その結果、95%の確率で、紀元前4640年から紀元前4605年の間のものであることが判明した。
これは有名なストーンヘンジが作られる2000年前、古代ローマ人がイギリス諸島に足を踏み入れる4000年以上前となる計算で、イギリス最古の木彫り作品と言える。
彫刻は、調査と同時にSketchfab 3Dモデル画像も作成された。
この彫刻の用途は不明だが、専門家によると、ロシアのウラル山脈で見つかった、1万2500年前に制作された世界最古の木彫「シギール偶像」の装飾と似ているという。
ヒストリック・イングランドはプレスリリースで、彫刻が発見された土地の所有者のDerek Fawcettが、科学的分析が終了次第、ニューベリーのウエスト・バークシャー博物館に彫刻を寄贈すると発表した。
ウェスト・バークシャー博物館の学芸員、Janine Foxはヒストリック・イングランドの取材に対して、「これは本当に素晴らしい発見です。町や村ができるずっと前に、この地域に住んでいた人々の暮らしを知る手立てになるでしょう」と語っている。(翻訳:編集部)
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