トランプ前大統領の別荘にイスラエル政府所有の古美術品? 2019年にアメリカに貸し出すも「取り戻すのは不可能」
7月18日、イスラエル政府高官は、2019年にアメリカに貸し出し、現在はフロリダ州にあるドナルド・トランプ前大統領の別荘マー・ア・ラゴに保管されている古美術品を「取り戻すことは不可能だ」と述べたと、イスラエルのHaaretz紙が報じている。
Haaretz紙の報道によると、古美術品は陶器のオイルランプのセットで、2019年、ワシントンD.C.のホワイトハウスで開催するユダヤ教の祭典「ハヌカ」のイベントで使用するために貸し出されていた。しかし、イベントは行われず、これらの品々は返却されなかった。
イスラエル考古局のイスラエル・ハッソン局長は「その後、新型コロナウィルスのパンデミックが勃発し、返却されるためのすべてが行き詰まりました」とHaaretz紙に語っている。
報道によれば、これらの古美術品がどのようにしてマー・ア・ラゴに運ばれたのか、それにトランプが関与しているのかどうかさえ、まったく明らかになっていない。イスラエル古美術品庁の職員は、何度か古美術品を取り戻そうと試みたが、成功しなかったという。
ニューヨーカー誌によれば、大統領在任中、トランプはイスラエルとの関係を強固にしようと努めていた。2017年に彼が主催したハヌカのイベントでは、エルサレムをイスラエルの首都と宣言。アメリカ大使館を誘致する計画を発表したが、パレスチナ当局はこの動きを非難した。最近では、自身のイスラエルへの貢献が大きいとして、イスラエルの首相に「簡単になれる」と発言している。
アメリカの歴代大統領は定期的にハヌカのイベントを開催しており、2001年からのジョージ・W・ブッシュ政権ではホワイトハウスで行われている。これらのイベントにあたり、イスラエル政府はメノラーと呼ばれる象徴的な燭台を貸し出している。
7月18日のHaaretz紙による報道の数時間後、トランプは、2020年の大統領選でトランプの敗北を覆すために支持者たちが21年に連邦議会を襲撃した事件の捜査対象になったと発表している。(翻訳:編集部)
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