3.7億円相当の中国・明朝の花瓶を盗んだ窃盗グループに有罪判決。捜査中の盗品には報奨金約185万円
スイスのジュネーブにある極東美術館から、200万ポンド(約3億7000万円)相当の中国・明朝の花瓶や鉢を盗んだロンドン在住の3人の男に対して行われた裁判で、有罪判決が下されたと。
Mbaki NkhwaとKaine Wright、David Lammingの3人は2019年6月、極東美術館で、中国明王朝時代の花瓶と2点の美術品を盗み、オークション会社にメールで花瓶の査定を依頼した。2020年7月、オークション会社は警察に通報し、ロンドン警視庁の特別犯罪課はスイス当局と捜査を開始。IPアドレスからLammingを特定した。
その後、花瓶が45万ポンド(約8400万円)で売りに出されると、特別犯罪課はバイヤーを装って彼らに接近。そして2021年10月、花瓶の購入者に品物を渡すためロンドン中心部のホテルに現れたNkhwaを、購入者に扮した刑事が取り押さえ、その場で逮捕となった。
2023年8月18日に行われた裁判で、被告のMbaki NkhwaとKaine Wrightは、財産権を侵害する犯罪の共謀罪で有罪となった。David Lammingは同年3月に行われた審問で同罪を認めている。
ロンドン警視庁のマット・ウェッブ警部補はガーディアン紙に、「白磁の花瓶は明の永楽時代に造られており、数百年にわたる興味深い物語を持つ貴重なものです」と語っている。
明朝の花瓶はオークションに出された場合、350万ポンド(約6億5000万円)になることもある。今回盗まれた3点のうち、8万ポンド(約1500万円)相当の鉢は2019年に香港のオークションハウスで落札され、その後返却された。しかし、現時点でニワトリの装飾が施された斗彩のワインカップが依然行方不明となっており、当局は最高1万ポンド(約185万円)の報奨金を出して情報提供を呼びかけている。(翻訳:編集部)
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