王津元、郭広昌(ジェニー・ジンユアン・ワン、グオ・グアンチャン/Jenny Jinyuan Wang and Guo Guangchang)

拠点:中国・上海
職業:金融、不動産、鋼鉄、ヘルスケア事業のコングロマリット(復星国際/フォーソンインターナショナル)
収集分野:現代アート

Photo: South China Morning Post(左)、Visual China Group(右)

上海で活躍するニュースキャスターとして知名度の高い王津元は、非営利団体・復星基金のトップを務めている。同基金は2016年11月、夫で実業家・投資家の郭広昌が率いる巨大コングロマリット、復星グループによって設立された。上海の外灘金融センターにある同財団は、ヴォルフガング・ティルマンス、チャン・エンリ、フランシスコ・クレメンテ、スターリング・ルビー、ヤン・ペイミンなど、郭のコレクションの作品を展示。屋上庭園には、日本人アーティスト宮島達男のインスタレーションが設置されている。

王は、復星財団が所蔵する膨大な現代アート作品の展覧会企画のほか、上海市内外のアーティストや教育関係者のためのレクチャーやリサーチにも資金を提供している。同財団初の展覧会は、2016年に行われた「A World in a Grain of Sand: Mapping Shapes and Sites for Social Geometrics」。この展覧会は、建築と身体、ネットワークとエコロジー、資本と労働という3つのテーマで構成され、40人のアーティストによる絵画、彫刻、ビデオ、VR、写真などの幅広い作品が財団のコレクションから展示された。その中で特に注目されたのが、ジャン・ディンの彫刻《Spinning Cube》(2016)とティムール・シーキンのビデオインスタレーション《The 8th Gate Sorting Processor》(2015)だ。

王は、主に海外の現代アートを中心に、年に3、4回の展覧会企画をディレクションしているが、今後は国際的なギャラリーとのコラボレーションなどに活動を拡大する予定だ。復星財団はそのための拠点を、ニューヨーク、香港、ミラノに確保している。

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