物語の鍵はアートにあり！ 大人気韓国ドラマ５選
韓国に数多くあるアートスポットは、ドラマの舞台にもなっている。9月7日から始まるアートフェア、フリーズ・ソウルにちなんで、ストーリーもアートも楽しめる、おすすめ韓国ドラマ5本をピックアップした。
1. 主人公はベテラン学芸員！ アートに彩られた「彼女の私生活」
ソン・ドクミ（パク・ミニョン）は完璧に仕事をこなすベテラン学芸員。その一方で、アイドルオタクとして秘密の「私生活」を満喫していた。ある日、美術館に新館長が就任することが決まる。それは海外のオークション会場で最悪の出会い方をしたライアン・ゴールド（キム・ジェウク）だった。
ドクミとライアンが働く美術館として登場するのが、ソウルのオリンピック公園内にある「ソマ美術館（Soma Museum）」だ。美術館には、ビデオ・アート作品に特化した「ナムジュン・パイク・ビデオアートホール」など6つの展示室があり、作中では、ドクミがジャージ姿で展覧会の設営を行う場面や、夜に照明を落とした館内でドクミとライアンが絵画を眺めながら語り合うシーンなど、随所で同美術館に展示された現代アート作品が登場する。また、美術館の敷地内にある、66カ国155アーティストの彫刻が設置された「彫刻公園」は、恋人関係を偽造することになったドクミとライアンが証拠写真を撮るシーンで使われ、写真映えするスポットとして話題になった。物語の鍵となる、冒頭に2人がオークションで競り合って関係が険悪になった絵画は、韓国の画家、イ・ヨンジェの作品。
作品情報：「彼女の私生活」
製作年：2019年
話数：全16話
キャスト：パク・ミニョン、キム・ジェウク、アン・ボヒョン、パク・ソンジュほか
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2. 韓国の注目アートスポットが多数登場！ 「わかっていても」
美術大学で彫刻を専攻するユ・ナビ（ハン・ソヒ）は、交際する美術塾講師が教え子と浮気し、別れを決意。傷心のナビがバーで一人で飲んでいると、パク・ジェオン（ソン・ガン）が人違いで声をかけてくる。話が弾むも、その日は連絡先を交換せずに別れた。ある日、2人は大学の飲み会で再会。ナビはジェオンと同じ学科と分かり親近感を覚えるも、彼に女性の噂が絶えない事を知り、これ以上傷つかないために距離を置こうとする。
ナビたちが通うホンソ大学は架空の学校で、キャンパスは蔚山広域市の大学、アトリエは慶尚北道安東市の大学内や、京畿道平沢湖畔にあるスタジオと、様々な場所で撮影された。ジェオンとの関係も、作品制作も行き詰ったナビがふらっと訪れた陶芸家の叔母の工房は、全羅南道麗水市に実際に存在する。工房では陶芸体験も出来、大人も子どもも好きなスタイルで楽しんでいる。大学主催の展覧会が開かれた場所は、京畿道坡州市の私設美術館だ。坡州市には、国の施策で出版社、印刷会社などが集められた「出版団地」があり、同美術館は美術専門出版社が設立している。建物はプリツカー賞を受賞した建築家が設計。展示室は天井が低く横長だが、それがナビの彫刻のダイナミックさを引き立たせていた。
作品情報：「わかっていても」
製作年：2021年
話数：全10話
キャスト：ソン・ガン、ハン・ソヒ、チェ・ジョンヒョプほか
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3. アート好きの好奇心をくすぐる「ダリとカムジャタン～真逆なフタリ～」
オランダの美術館で働く学芸員のダリ（パク・ギュヨン）はパーティーに招待したVIPを空港に迎えにいき、間違ってカムジャタン（韓国の鍋料理）チェーン店の常務ムハク（キム・ミンジェ）を案内する。誤りが判って2人は口論になるが、本当のVIPはムハクの養豚業界パーティーを楽しんでおり、事なきを得る。2人は韓国での再会を約束するが、連絡先を交換するのを忘れてしまう。その翌日ダリの父が急逝。ダリは韓国に帰国し父のチョンソン美術館を継ぐことになるが、膨大な借金が残されていることを知る。
2015年にイタリアの美術館で実際に起こった、空き瓶や使い終わったクラッカーなどを用いた芸術作品を、清掃員がゴミと間違えて片付けてしまった出来事（丁寧に分別して捨てられていたため作品は無事）を彷彿とさせる場面や、借金を回収するため美術館に来たヤクザにダリが対話型鑑賞をレクチャーするシーンなど、アート好きにはクスッと笑えるエピソードも。チョンソン美術館で開催した企画展のシーンでは、日本でも知られるチェ・ジョンファなど韓国の人気アーティストの作品を見ることができる。チョンソン美術館のロケは、忠清南道牙山市にある複合文化施設「モナムル」で行われた。おもに地元アーティストの作品を展示する4つのギャラリーと、カフェ、結婚式場を備えており、作中にも登場するバオバブの彫刻がそびえる池や、モダンなカフェは韓国の若者の「映え」スポットとしても人気がある。
作品情報：「ダリとカムジャタン～真逆なフタリ～」
製作年：2021年
話数：全16話
キャスト：キム・ミンジェ、パク・ギュヨン、クォン・ユル、ファン・ヒほか
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4. 韓国紙幣にもなった女性芸術家の人生を描く「師任堂、色の日記」
大学で韓国美術史を研究する、非常勤講師のジユン（イ・ヨンエ）は、世紀の発見と言われる安堅作の絵画《金剛山図》の発表を任されるが、偽作疑惑が持ち上がる。失意のジユンは、教授就任をかけた重要な学会に出席するため訪れたイタリアで、偶然 師任堂（イ・ヨンエ）の日記を手に入れる。日記を手掛かりにある古城を訪れると、そこには自分そっくりの女性が描かれた美人図があった。日記を読み進めると、天才画家イ・ ギョム（ソン・スンホン）との切ない愛や《金剛山図》の真作の行方が書かれていた。
韓国の最高額紙幣、5万ウォン札の人物である朝鮮時代の芸術家、申師任堂（シンサイムダン、1504-51）をモチーフにしたドラマ。師任堂は韓国では良妻賢母の鑑として知られており、夫の出世を助けながら、7人の子どものうち、1人は儒教学者、2人は芸術家に育て上げた。その一方で、自身は多数の詩や絵画を残している。師任堂の作品は、ソウルの「国立中央博物館」など韓国の様々な美術館や博物館、日本では《茄子双鳥図》が福岡市美術館に収蔵されている。江原道江陵市にある師任堂の生家「烏竹軒」はロケにも使われており、敷地内の「栗谷記念館」では師任堂の絵画を展示している。
作品情報：「師任堂、色の日記」
製作年：2017年
話数：全30話
キャスト：イ・ヨンエ、ソン・スンホン、チェ・ジョンファン、オ・ユナほか
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5. 韓国の人気画家の作品が登場する成功物語。「運命のように君を愛してる」
短命の家系に生まれたチャンイン化学のCEOイ・ゴンは、 周囲から結婚と跡継ぎを急かされていた。彼には美しい恋人セラがいたが、世界的プリマになる夢がある彼女は、結婚に踏み切れずにいる。一方、平凡な会社員のミヨンは、優しすぎるあまりにいつも損ばかりしていた。まったく別の人生を送るゴンとミヨンだったが、 ゴンを陥れるための策略によって一夜を共にし、妊娠が発覚する。
絵を描くことが好きなミヨンは、生まれてくる子どもの想像図を描いて、誕生を楽しみにしていた。ドラマの中盤、子どもを失って失意のミヨンはフランスに絵を学びに行き、エリー・キムという名の画家として帰国。韓国の美術館で個展を開く。ミヨンが描く絵は、すべて韓国の画家、ユク・シムウォンの作品だ。女性や子どもをコミカルに描いた、一見イラストのような作風だが、大学で学んだ東洋画の手法を取り入れて、韓紙（韓国古来の紙）やブンチェ（小麦粉をすりつぶして使う固形の絵の具）など伝統的な画材を使っている。ソウル江南のおしゃれエリア、カロスキルにはユク・シムウォン作品のグッズ専門店もあり、広く親しまれている画家であることが分かる。
作品情報：「運命のように君を愛してる」
製作年：2014年
話数：全20話
キャスト：チャン・ヒョク、チャン・ナラ、チェ・ジニョク、ワン・ジウォンほか
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