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ピカソの《ゲルニカ》、30年にわたる写真撮影禁止を解除。昨年はミック・ジャガーに撮影許可

パブロ・ピカソが反戦の思いを込めて描いた絵画《ゲルニカ》(1937)は、これまで30年間にわたり撮影禁止措置が取られてきた。9月初旬、それが解除されたと英タイムズ紙が伝えた。

1956年、アムステルダム市立美術館に展示された《ゲルニカ》。Photo: Keystone/Hulton Archive/Getty Images

今月初めに撮影禁止を解除したのは、スペイン・マドリードにあるソフィア王妃芸術センターの新館長、マヌエル・セガデ。美術館関係者は、館内全体の来場者の流れを改善し、若い観客に関心を持ってもらう一助になることを期待しているという。

スペイン内戦で行われた無差別攻撃の悲劇を描いた《ゲルニカ》は、1937年に当時の共和国政府がピカソから譲り受けた。第2次世界大戦中は、ピカソの希望でニューヨーク近代美術館(MoMA)に保管され、1981年にスペインに戻った。当初はプラド美術館にあったが、1992年にソフィア王妃芸術センターに移されている。

昨年の夏、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが、美術館の閉館時に《ゲルニカ》を特別に鑑賞したが、そのとき写真撮影が許可されていた。

来館者による写真撮影については、長い間議論が続いている。保護されていない作品にダメージを与える可能性があるという意見や、写真は作品を直接体験することには及ばないという意見もある。(翻訳:石井佳子)

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