GUCCIがアートブック・プロジェクトをローンチ! 「アートとファッションとの対話を探求する」
今年1月、新クリエイティブ・ディレクターにイタリア人デザイナー、サバト・デ・サルノを迎えたグッチが、デ・サルノによるデビューコレクションの発表に合わせ、アートブックのプロジェクトをローンチした。
『Gucci Prospettive』 と題されたこのアートブック・プロジェクトは、「アートとファッションとの対話を探求する」というグッチの新クリエイティブ・ディレクター、デ・サルノの想いを体現するもので、 毎シーズンのコレクション発表に合わせて刊行される予定だ。記念すべき第一号のテーマは「Milano Ancora(ミラノよ、もう一度)」。本書に寄稿しているルイジ・ペッチ現代美術センター館長で、ローマ・クアドリエンナーレ(1927年創立のイタリア現代アートの促進を目的とする財団)で2018年から21年にわたりキュレーターを務めたステファノ・コッリチェッリ・カゴール博士は、本書を次のように説明している。
「本書はミラノへのラブレターである。アート作品が文学、音楽、映画、ファッション、歴史と交差し、戦後から現代に至るミラノの文化的・芸術的歴史の断片を物語る。それらが交錯しながら続いていくリレーの中で、アーティストたちは美と欲望の場としてのミラノを語り、新しい空間と新しい自分を思い描いて伝統を超えていく」
デビューコレクションに先立って公開されたVOGUEのインタビューで、デ・サルノはモデル選びについて「無名の人を起用したい」と語っているが、彼の若い才能を支援したいという想いは、『Gucci Prospettive n.1, Milano Ancora』にも貫かれている。
この号でデ・サルノは、コレクションの発表の場にも選んだ歴史的な美術大学、アカデミア・ディ・ブレラの協力を得て、クリスティアーノ・リッツォ(Cristiano Rizzo)、マルティーノ・サントリ(Martino Santori)、ヌーラ・タフェッシュ(Noura Tafeche)、ヴァレリオ・エリオガバロ・トリシ(Valerio Eliogabalo Torrisi)という同校出身の4人の若手アーティストに光を当てた(彼らの作品は、9月19日から23日までの期間限定ではあるが、大学にもほど近い特設ギャラリーでも見ることができる)。それはもしかしたら、ミラノにあるファッションの名門、Istituto Secoli(セコリ校)を卒業後、プラダ、ドルチェ&ガッバーナ、ヴァレンティノで研鑽を積み、グッチというビッグブランドのクリエイティブ・ディレクターに大抜擢された、現在40歳のデ・サルノ自身の経験にも基づいているのかもしれない。
前述のVOGUEの記事によれば、デ・サルノにとってアートは「人生に重要な役割を果たす」もの。週末はパートナーとともにギャラリー巡りを楽しむ彼は、とりわけ「言葉」を用いた「考えさせる」作品に傾倒しているのだという。22日にお披露目されるデビューコレクションから、どんな「アートとファッションの対話」が聞こえてくるのか。耳を澄ませたい。
問い合わせ先:グッチ クライアントサービス(0120-99-2177)