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個展開催中のナン・ゴールディンが美術館による検閲を主張。美術館は「事実と異なる」と否定

ベルリンで個展を開催しているナン・ゴールディンが、ガザ地区レバノンイスラエルに連帯を示すメッセージを展示作品に追加する際に、美術館による検閲があったと地元紙に語った。一方の新国立美術館はイスラエルへの連帯が示されていなかったことから展示を認めなかったと反論し物議を醸している。

ナン・ゴールディン。Photo: Fabian Sommer/DPA/Picture Alliance via Getty Images

ベルリンの新国立美術館(Neue Nationalgalerie)で展覧会を開催しているナン・ゴールディンは、同館での展示作品でスライドショーとしてまとめられているゴールディンの代表作《性的依存のバラード》に、ガザ地区レバノン、ヨルダン川西岸地区で犠牲となった人々、そしてハマスによる襲撃で10月7日に命を落としたイスラエル国民に連帯を示すスライドを新たに追加した。

しかし、ゴールディンがフランクフルター・ルンドシャウ紙に対して語ったところによると、このスライド追加を計画していた段階で同館から拒否されたと語り、同館館長を務めるクラウス・ビーゼンバッハと激しい応酬を繰り返したという。ゴールディンは美術館側の行為は検閲にあたると訴えた。

「この展覧会において美術館側は、私の政治的立場を認めようとせず、追悼の場を設けることも許可しませんでした」

ゴールディンによれば、当初からスライドには、「ガザ地区、ヨルダン川西岸地区、レバノンの人々、そして10月7日に殺害されたイスラエルの民間人への連帯を表明する」というメッセージを記していたというが、新国立美術館は、ゴールディンの発言は事実と異なると否定。同館は、スライドにイスラエル国内の犠牲者についての言及がなかったため、展示を許可しなかったという。

しかし内議が行われたのち、最終的には「ガザ地区、ヨルダン川西岸地区、レバノンで命を落とした人たち、そし10月7日に犠牲となったイスラエル市民への連帯を表明する」というメッセージのスライドが加えられた。

連帯を表明するスライドが新たに追加されたことを受けビーゼンバッハは、フランクフルター・ルンドシャウ紙に次のように語っている。

「当館の行動規範に即しているのであれば、私たちはアーティストがもつ表現の自由を認めています」

US版ARTnewsは新国立美術館の広報担当者とゴールディンにコメントを求めたが、回答は得られなかった。(翻訳:編集部)

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