マリー・アントワネットの椅子が約4億円! エルメス創業者子孫のコレクションがオークションへ
サザビーズ・パリは、エルメス創業者の玄孫にあたるユベール・ゲラン=エルメス(1940-2016)が収集した美術品と家具のオークションを5回にわたって開催。12月13日に行われた第1回は、全てのロットが落札される「ホワイト・グローブ」となった。
法律を学んだユベール・ゲラン=エルメスは、エミール・エルメスSARLの副会長、エルメスグループの不動産会社の総支配人を歴任した一方、近現代の美術品と家具の熱心なコレクターとして、約1000点に及ぶユニークなコレクションを築き上げた。
13日のセールは、総落札予想額610万ユーロから890万ユーロ(約9億5000万円~13億8000万円)に対し、その3倍以上となる2290万ユーロ(約35億5000万円)以上を売り上げた。
セール最初のロットには、ヴェルサイユ宮殿のマリー・アントワネットの私室のために作られた、緻密な彫刻と金箔が施されたルイ16世時代の椅子が登場。258万9000ユーロ(約4億円)で落札され、18世紀の家具1点の最高額を更新した。また、画家ピエール・スーラージュの鮮烈な作品《Peinture》(1970)は300万ユーロ(4億7000万円)強で落札された。
また、ゲラン=エルメスが1997年に購入し、その後、建築家でありデザイナーのフランソワ=ジョセフ・グラフの協力を得て修復したパリの邸宅、オテル・ドゥ・ラニオンに置かれていた、フランソワ=グザヴィエ・ラランヌ作の猿のブロンズ像2点は、271万ユーロ(約4億2000万円)で落札された。
ユベール・ゲラン=エルメスによるコレクションのオークションはそのほか、14日に「コレクション・ユベール・ゲラン=エルメス、ラニョン邸」、15日に「コレクション・ユベール・ゲラン=エルメス、ベリー公爵夫人」が開催された。18日と19日にはオンラインオークションが行われる予定だ。(翻訳:編集部)
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