オーストロネシア人の起源は中国だった!? 考古学者らが福建省・平潭島で7300年前の文明を発見
中国の考古学者たちが、中国南東部の福建省・東海岸沖に位置する平潭島で、7300年前の文明を確認した。サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。
12月23日にサウスチャイナ・モーニング・ポストが報じたところでは、考古学者たちは11月、中国・平潭島がおよそ3000年から7500年前にオーストロネシア人(※1)の居住地であったことを突き止めた。この発見は、平潭島が人類史上最も重要な海上移動の起源であった可能性を示しているという。
この居住区は5000年から6500年前の間に、人々の住居や、手工芸や廃棄物処理、食品加工のための建物もある複雑な社会へと発展を遂げていたことも明らかになった。また、史上最古の一つと言える稲作の跡も発見された。
※1 中国・福建省から台湾に移り住んだ先住民族で、オーストロネシア語族を話す民族。優れた航海技術を持ち、一部はその後、東南アジアやミクロネシア、ポリネシア、メラネシア、そして日本にも渡り、広範囲に分布を広げた。現在、オーストロネシア語族を話す民族は約4億人とされている。
さらに島の別の場所からは、3000年から4200年前の共有スペースの跡も見つかった。発掘された人骨の遺伝子検査では、オーストロネシア人と一致することが確認された。
これまで、オーストロネシア人は現在の台湾に起源を持ち、過去5000年の間に海上移動を始めたとする説が有力だった。しかし、今回の平潭島での発見は、オーストロネシア人の起源には中国本土も含まれる可能性があることを示唆している。
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