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トルコ南部地震、2千年前の城など歴史的建造物が多数崩壊

2月6日の早朝にトルコ南部とシリア北部で起こった地震。必死の救助活動が続く中、歴史的建造物を含む多数の建物も甚大な被害を受けていることが明らかになってきた。

トルコ南部の地震で崩壊したガジアンテプ城。Photo: Mehmet Akif Parlak/Anadolu Agency Via Getty Images

AFP通信によると、トルコとシリアの両国合わせて、これまでに4300人以上の死亡が確認されており、負傷者は1万6000人を超える。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は公式発表で、2千300以上の建物が崩壊したと報告したが、被害や死傷者は今後さらに増える見込み。

地震によって崩壊した建造物の中で、最も世界に衝撃を与えたのは、トルコ南部のガジアンテプ城だ。

ガジアンテプ城は、紀元前2千年頃にヒッタイト帝国によって見張り台として建設された。その後2世紀から3世紀にかけてローマ人が城を建造し、5世紀には東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌス1世が城を拡張した。

城には12の塔があり、その周囲を堀が囲っている。この史跡は観光地としても知られ、昨年、トルコ独立戦争時の美術品や工芸品を展示する、ガジアンテプ防衛・英雄パノラマ博物館がオープンしたばかりだった。

CNNによると、ガジアンテプ城の塁壁の一部が崩壊、もしくは大きな亀裂が確認されており、城の周りの鉄柵は、周囲の歩道に散乱しているという。

そして、ガジアンテプ城の隣にある、17世紀に建てられたシルヴァニ・モスクのドームと東側の壁も一部崩落したと伝えられている。

地元メディアによると、トルコ南部の都市イスケンデルンにある受胎告知教会が、完全に崩壊したという。このカトリック教会は1858年から71年にかけて建てられ、火災の後、1901年に再建された。(翻訳:編集部)

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