銀の富で栄えた古代文明の姿が明らかに。ギリシャで約3000年前の巨大な住居跡を発見
ドイツのゲッティンゲン大学の考古学者が、ギリシャ・アテネ南部のラヴリオ市郊外にある古代の集落トリコスで、ギリシャ最古となる鉄器時代(紀元前1200年~334年)の家屋のひとつと思われるものを発見したと、グリーク・リポーターが伝えた。
ギリシャ・アテネ南部のラヴリオは紀元前3200年に遡る世界最古の銀鉱山を持ち、周辺地域にも富をもたらした。近隣の古代の集落トリコスも例外ではなく、トリコスからは、これまでミケーネ文明の住居や会社、ドーム状の墓があることが確認されていた。2019年、ゲッティンゲン大学の考古学者チームによって新たに発見された建物の壁の外側の角は、そのような墓のひとつと考えられていた。
しかし、彼らがさらに調査を進めると、紀元前950年から紀元前825年の間に使われていたと思われる、5、6個の部屋と舗装された中庭からなる、はるかに大きな住居が見つかった。部屋には穀物を挽く石があり、住居として使われていたことが分かる。また、間取りが複雑であることから、この家が「高度に発達した文明や、確立された社会構造」の人々によって使われていたと推測された。
またトリコスからは、アルカイック時代末期の紀元前525年から480年の間に建てられた、世界最古の劇場も見つかった。この劇場の特徴は、その古さだけではない。後年に建てられたギリシャの劇場は円形だが、トリコス劇場は楕円形で、オーケストラ席は円形に対して長方形だ。(翻訳:編集部)
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